大塚商会の2015年度決算、6期連続の増収増益--クロスセルで販売増に取り組む - (page 2)

大河原克行

2016-02-02 08:00

 「電力自由化とあわせて、新規顧客向けの“ドアオープナー”としてLED照明を活用していきたい。どこにどう設置すれば熱対策にも効果があるのかといったノウハウを最も持っているIT関連企業であるという自負がある」

2016年度は売上高が4.9%増、営業利益が7.2%増

 2016年度(2016年1~12月)の業績見通しは、売上高が前年度比4.9%増の6390億円、営業利益が7.2%増の400億円、経常利益が5.9%増の405億円、当期純利益が6.2%増の251億円を目指す。

 セグメント別売上高見通しは、システムインテグレーション事業が5.0%増の3708億円、サービス&サポート事業が4.8%増の2677億円、その他の事業が1.5%減の3億円とした。

 「2016年は、世界経済は不透明ながら、国内経済は緩やかな成長が見込まれ、人手不足の深刻化などを背景に、攻めのIT投資による生産性向上ニーズが見込まれる。一方で、タブレット市場の拡大、Windows 10の無償期間終了による更新の本格化、マイナンバー制度の運用本格化、軽減税率導入に向けた対応、電力自由化などの動きがあり、企業のIT活用ニーズ、省エネニーズは底堅いと判断している。それに対して対策はしっかりと打ってきている」

 大塚商会では、2016年の方針として「ソリューションでオフィスを元気にし、お客さまの信頼に応える」を掲げ、生産性向上に向けたソリューション提案、顧客との取引品目を拡大とクロスセルの展開、タブレットを中心としたクライアント活用提案、光回線などのネットワークソリューションの強化、顧客のマイナンバー対応や軽減税率対応支援、社内制度であるバーチャルマネージャなどの底上げ策の実施に取り組むとしている。

 マイナンバー関連ソリューションでは、セキュリティビジネスの成長に貢献しているほか、大塚商会ならではのワンストップソリューションの強み、多店舗や多地点企業に対するシステムの構築や運用、サポートの提案力を生かしていく姿勢を強調した。

 「業績がきつくなると価格販売に目が向きがちだが、われわれが売りたいモノを売るのではなく、原点に戻って、ソリューション販売、付加価値販売に力を注ぎたい。クロスセルで1000円客単価が上がるだけで、5億円増につながる。コストセールスからソリューションセールスへの転換を図る。まだまだやることはある」

 一方で「昨年10月にマイナンバー関連ソリューション拡販の号令をかけた結果、基幹システム提案などの他のことが疎かになったという反省がある。11月は1週間、マイナンバーの商談をしないように号令をかけた」などというエピソードにも触れた。

 「今後は、マイナンバーの運用が本格化する中でソリューションを提案していく。マイナンバーへの投資を経費にせず、セキュリティ環境が高まり、生産性向上につながる提案を進めたい」

 大塚氏は、中期計画として人員は横ばい、あるいは微増を計画。営業利益率と経常利益率はともに7%を目指す方針を打ち出した。時期については明確にしなかった。「サーバの情報の活用により、需要を開拓。人、モノ、金の効率活用で生産性を向上させる」

大塚商会2015年12月期決算の概要(大塚商会提供)
大塚商会2015年12月期決算の概要(大塚商会提供)

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