OpenStackの開発者の推移
次に、「OpenStack」の活動状況を見てみましょう。
OpenStackは、2010年7月にRackspaceとNASAが開始した完全なOSSのクラウド基盤ソフトウェアを開発するプロジェクトです。数多くのコンポーネントから構成されており、年々そのコンポーネントの数が増えています。開発は、「OpenStack Foundation」のコントロール下で行われており、1年に2回メジャーアップデートされます。
OpenStack Foundationには300社以上の企業が参画し、企業中心のコミュニティー活動を行っています。OpenStack Foundationは、年2回「OpenStack Summit」を開催し、その中の「Design Summit」と名付けたセッションで今後半年間の開発項目について議論し、アクションアイテムを決定していきます。OpenStackのコンポーネントごとにセッションが開催され、毎回、白熱した議論が展開されます。
下表はOpenStackに対してコミット数の多い企業をまとめたものです。この表を見てわかるように、OpenStackはLinuxカーネルとは異なり、所属企業のないエンジニア(*independent)が1位ではなく、企業がトップ5を占めています。OpenStackを業務として開発しているエンジニアが多いと言えます。
OpenStackへのコミット数一覧
ここまで見てきたように、ボランティアが開発しているというイメージがあるOSSですが、時が経つにつれ企業の正規の業務として開発するようになってきたように思います。