「Windows 95」のリリースから20年が経過したが、かつては1000ドル以上もする専用のPCを必要としたこのOSは、今やブラウザの中で動かせるようになった。
スコットランドの大学生であるAndrea Fauldsさんは、「Chrome」「Firefox」「Internet Explorer」などのブラウザで実行できる、ホスト型のWindows 95エミュレータを作成した。
Windows 95のデスクトップ。Fauldsさんは今回のエミュレータについて、「利用は自己責任で」と注意書きをしている。
このWindows 95は、「Emscripten」でコンパイル可能な「DOSBox」の派生バージョンである「Em-DOSBox」上で動作している。このツールは、CおよびC++から生成されたコードを、主なウェブブラウザでサポートされているスクリプト言語であるJavaScriptに変換するコンパイラだ。
Fauldsさんによれば、このエミュレータを作った動機は懐かしさだったという。
「子供の頃のWindows 95を使っていた経験を再現したかった」とFauldsさんは述べている。
弱冠19歳のFauldsさんは、父親が90年代のOSにこだわり続けていたため、自分はこのOSと一緒に育ったと話している。
「父は長い間、かたくなにWindows XPへのアップグレードを拒んでいたため、家族のコンピュータではずっとWindows 98SEが使われていた」(Fauldsさん)
ユーザーからは、Internet Explorerのクラッシュなどさまざまなバグが報告されているが、「ペイント」などの簡単なツールやアクセサリは正常に動作しており、利用できる。
エミュレーションで動作していることと、DOSBoxがブラウザ内で動作する仕組みが理由で、実行速度はかなり遅い。
PHPコミュニティーで活動しており、「たまにプログラミングをする」というFauldsさんは、今はアバディーン大学でドイツ語と言語学を学んでいる。
古いOSをブラウザでエミュレーションしたのは、Fauldsさんが初めてではない。以前から、Windows 3.1からMac OSまで、さまざまなシステムがウェブ上に移植されている。Fauldsさんはまた、Windows 95は著作権のあるソフトウェアであり、このエミュレーションは「教育目的」で提供していると述べている。もし提供の停止を求める通知があれば、公開を取りやめるつもりだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。