日立公共システムは2月8日、Javaのバッチ処理を高速化する独自技術を開発したと発表した。同社が提供している「COBOLからJavaへの言語変換サービス」において、COBOLからJavaへ移行すると現行システムより処理速度が低下する問題を解決する。
COBOLは、機械語にコンパイルされたコードの静的な実行をサポートしており、プログラムのロード時にメモリ領域が静的に確保される。そのメモリ領域での演算を1つのプロセスに専念させることができるため、大量のバッチ処理を高速に実行するのに有利だ。一方、Javaは、プラットフォーム間のバイナリ互換を実現するため、中間言語の動的ローディングを行う。そのため、COBOLよりもバッチ処理実行時間が長くなる。
今回同社が開発したJava高速化技術は、バッチ処理で性能が劣化するファイルの読み込み・書き込み処理を独自方式で実行することにより、高速化を実現した。同社の社内ベンチマークテストによれば、COBOLと比較して処理時間を約10分の1に短縮できたとする。
同社では、同技術を「COBOL⇒Javaマイグレーションライブラリ」として、「COBOLからJavaへの言語変換サービス」に適用する。言語変換サービスは、同社が官公庁や自治体、企業向けに提供している基幹システムのマイグレーションサービスの1つである。