米IBMは2月2日、ドイツのデジタル系マーケティング会社大手の独Apertoを買収する正式契約を締結したと発表した。金銭的な条件については非公開で、買収手続きは規制当局の承認など慣習的な完了条件を満たしたのち、2016年第1四半期に完了する見込み。日本IBMが2月10日、抄訳で伝えた。
今回の買収が完了すると、Apertoはユーザーエクスペリエンスなどを研究する「IBM Interactive Experience(IBM iX)」チームに加わり、欧州最大の経済圏におけるIBMの成長をサポートしていくこととなる。Apertoの300人以上の従業員は、引き続き同社の顧客にサービスを提供する予定。最近ではエアバスグループ、フォルクスワーゲン、シーメンスなどが顧客リストに加わっている。
IBM iXは、2014年と2015年の「Ad Age Agency Report」における最大のグローバルデジタルエージェンシーであり、戦略、アナリティクス、システム統合にわたって独自にサービスを融合することで、顧客に対しデジタル、コマース、モバイル、そしてApple Watch用コンシューマーアプリも含むウェアラブルプラットフォームを提供している。
世界25カ所のIBM Studioでは、同チームのコンサルタントが、Nationwide、ジャガーランドローバー、Citi、ウィンブルドンといった顧客と共同でソリューションを開発している。
IBMはビジネス戦略の最先端において、デジタル、戦略、デザインに関するスキルが強く求められていることを把握しているとアピール。あらゆる業界の企業が、より消費者に近いエクスペリエンスを顧客や従業員に提供することを望み、さらにコグニティブコンピューティングの基盤や分析基盤のパワーを統合したいと考えるようになるにつれ、エクスペリエンスデザインの需要がますます高まるものと予想している。