NTTデータ、ブロックチェーン標準化団体に創立メンバーとして参画

ZDNET Japan Staff

2016-02-10 18:45

 NTTデータは2月10日、米The Linux Foundationがブロックチェーンの標準化を目的に日本時間の同日に設立した「Hyperledger Project」に創立メンバーとして参画すると発表した。

 金融機関の勘定系システムやクレジットカード決済ネットワークなど大規模社会インフラシステムや、各種基幹系業務システム構築のノウハウを生かし、ブロックチェーン技術の成熟に貢献する。

 将来的なブロックチェーン技術導入ニーズの高まりにもスムーズに対応できるように、関連技術のノウハウ蓄積を目指す。

 ブロックチェーンは、ネットワークに接続された数多くのコンピュータが分散して処理やデータ管理を実施することで、同等の機能を実現する。これまでは、ビットコインで仮想通貨を支える技術として使われてきたことが知られている。

 一般に、信頼性の高いシステムを構築するためには、大規模な設備に加え耐障害性、 高可用性といった難易度の高い設計、開発、試験のために多額な費用がかかっていた。費用を抑えてシステムを構築できる点に注目が集まっている。

 国内でも、大手金融機関がブロックチェーン技術利用を検討する国際コンソーシアムに参加するなど、導入に向けた取り組みが始まっている。また、 金融分野だけでなく、株券や不動産所有権、コンテンツ流通のような権利移転のプラットフォームにおける適用検討がされるなど、ブロックチェーン技術の普及に向けた動きが急加速している。

 一方で、これまで基幹システムが実現していた各種機能要件を、ブロックチェーン技術でどのように実現するのか、高信頼性が求められるシステムを構築する際に、現時点のブロックチェーン基盤に欠けている要件はないかなど、未知数の要素も多く、さまざまな業界で技術検証が繰り返されている。

 Hyperledger Projectは、これら技術検証をグローバルレベルで共同で実施し、 デファクトスタンダードとなるようなブロックチェーン基盤の技術の開発を目指す。

 NTTデータはHyperledger Projectに参画し、これまで培ってきた基幹系システム構築に関するノウハウを基に、 信頼性の高いシステム構築にも適用できるシステム基盤の標準化を進める。

 これにより、世界各国と比較し極めて高い信頼性やセキュリティが求められる、 国内の各種システムにおいてもブロックチェーン技術が活用可能となることを目指す。

 Hyperledger Projectは、米The Linux Foundation内の協業プロジェクトで、 ブロックチェーン技術を活用した、 商取引を支える堅牢な業界専門アプリケーション、 プラットフォーム、 およびハードウェアシステムの構築を目指す。

 エンタープライズ領域での利用に耐えるオープンソース分散型台帳(分散レジャー: distributed ledger) フレームワークとその開発者の育成を目的としている。 参画企業は、 ブロックチェーン技術のスタートアップ企業であるR3を含む大手ITベンダーと、 欧米の証券取引所や決済機関「SWIFT」金融インフラ系のメンバーを中心に構成されている。

 参加表明メンバーは、金融インフラ系:CLS(米)、 CME Group(米)、 Deutsche Borse(独)、 DTCC(米)、 London Stock Exchange Group(英)、 SWIFT(国際機関)、金融機関は、ABN AMRO(蘭)、 ANZ Bank(豪)、BNY Mellon(米)、 J.P.Morgan(米)、 State Street(米)、 Wells Fargo(米)ITベンダーではAccenture(アイルランド)、 Blockchain、 Calastone、 Cisco(米)、 ConsenSys(米)、 Credits(英)、 Digital Asset Holdings(米)、 富士通(日)、 Guardtime、 日立製作所(日)、 IBM(米)、 Intel(米)、 IntellectEU(米)、 NEC(日)、 NTTデータ(日)、R3(米)、 RedHat(米)、 Symbiont、VMware(米)などが挙がっている。

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