この博物館では現在65種類のサンプルを見ることができ、これには「指輪物語」のキャラクターから名付けられた「Frodo」も含まれている。Symantecによれば、この名前が付けられたのは、このウイルスがFrodoの誕生日である9月22日にペイロードをドロップするように設定されていたためだ。
- TechRepublic Japanオススメ記事
- アンチウイルスソフトは死んだのか--セキュリティベンダー座談会(1)
- 重要なのは侵入された後の対応--セキュリティベンダー座談会(2)
- CSIRT/SOCだけでは意味がない--セキュリティベンダー座談会(3)
ほかには、例えば画面を「techno」という文字で埋め尽くしながらビープ音で作った音楽を鳴らし、キーボードに触らないように警告する「Techno」なども収められている。
この博物館には、2011年にHypponen氏がDefConで行った講演も収録されているが、同氏はこの講演で、1986年に作られた最初のPCウイルスである「Brain.A」が保存されたフロッピーディスクを披露している。
この講演で同氏が述べているとおり、以前はAppleのマシンを狙ったウイルスもいくつかは存在したものの、現在はPCのウイルスの方がはるかに大きな問題になっており、セキュリティ業界はPCのマルウェアと戦うために進歩してきた。
またHypponen氏は、Brain.Aに関する逸話として、このウイルスにパキスタン人の作者の名前、電話番号、住所が組み込まれていたという話をしている。
Hypponen氏がこの作者に連絡を取ってみたところ、これはDOSがUNIXシステムと比べて安全ではないことを示すための概念実証コードだったと話していたという。しかし、この簡単なテストは、Brain.AにPCが感染した世界中のユーザーに大混乱を引き起こした。
Brain.Aなどの初期のウイルスは、フロッピーディスクからフロッピーディスクに感染するよう設計されていたという共通の特徴を持っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。