VMwareは米国時間2月10日、同社の仮想ストレージエリアネットワーク(VSAN)製品の新バージョンである「VMware Virtual SAN 6.2」を発表した。この最新バージョンでは、すべてのプラットフォームに対する管理機能やモニタリング機能を向上させるとともに、より多くのハイパーコンバージドインフラ(HCI)をパートナー企業が提供できるよう、オプション一式が拡張されている。
ストレージ及びアベイラビリティ製品担当バイスプレジデントのSkip Bacon氏は、HCIを適切なものにすることがVMwareにとって重要であるため、同社は正しいソフトウェアの提供と、幅広い配備オプションのサポートという2つの重要な目標から手を付けていると述べた。
Bacon氏は「われわれはHCIが、企業のデータセンターを皮切りに、果ては北海の油井施設やウィンドファームに至るまでの、考えられ得るほぼすべての物理環境に配備される未来を思い描いている」と述べた。
VSANのこの最新リリースにより、ストレージやデータサービス、管理といった機能が強化される。以下は、今回のアップデートにおける目玉だ。
ストレージとデータサービス
まず手始めに、VSAN 6.2はニアラインストレージに対するデータ重複排除機能や圧縮機能をディスクグループレベルでサポートしている。VMwareによると、これら機能は「Space Efficiency」(スペースの効率化)と呼ばれるものであり、クラスタレベルで有効になるという。また、4Kバイトブロックという固定ブロック長単位のデータ重複排除機能も提供するという。
こういった機能が待ち望まれていたのは間違いないが、GartnerのアナリストDavid Russell氏によると、データ重複排除機能がフラッシュドライブでしかサポートされておらず、ディスクは対象外になっている点を忘れてはならないという。
Russell氏は「VMwareは将来的に、ディスクドライブ(HDD)に対するデータ重複排除機能をサポートすると考えられるが、現時点でインフラ規模を決定する際には、サポート対象に留意しておく必要がある」と述べた。
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