松岡功の「今週の明言」

大塚商会社長が誓う営業姿勢の“原点回帰” - (page 2)

松岡功

2016-02-19 14:02

 メッセージ全体としては先に述べたように営業姿勢として原点回帰を誓ったものだが、ミソとなるのは「顧客に喜ばれる提案」のためにはどうすればよいかだ。大塚氏はこの点について、「顧客の多様なニーズに応えるためには、当社が扱っている商材を特定のものだけでなく全て提案材料にできるようにしておかなければならない。それでこそ、顧客に喜ばれる提案ができるようになり、クロスセルを展開できるようになる」と説明した。

 そんな意図も込められた冒頭の発言は、決して目新しい内容ではないが、ソリューション提案を強化していくためには、あらためて肝に銘じておきたい営業姿勢の原点といえよう。

「中堅中小企業にもグローバル対応のERPを手軽に使ってもらいたい」
(パシフィックビジネスコンサルティング 小林敏樹 代表取締役社長)

パシフィックビジネスコンサルティングの小林敏樹 代表取締役社長
パシフィックビジネスコンサルティングの小林敏樹 代表取締役社長

 パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)が先ごろ、マイクロソフトの中堅中小企業向けERPパッケージソフトの最新版「Microsoft Dynamics NAV 2016」の日本語版、中国版、香港版、タイ版、ベトナム版を4月より販売開始すると発表した。小林氏の冒頭の発言は、その発表会見で、新製品の普及に向けた意気込みを語ったものである。

 新製品は、米Microsoftが2015年10月にリリースした英語版のDynamics NAV 2016に、PBCが5カ国それぞれの商習慣に合わせた機能を追加し、各国の言語にローカライズして提供するものである。

 小林氏によると、「当社は2001年よりマイクロソフトと協業し、Dynamics製品のコンサルティングサポートを通じて、日系企業の海外展開を支援する先駈け企業として成長してきた。そうした中で、近年は東南アジアが大きな経済市場として注目されていることを受け、今回のDynamics NAV 2016では初めてタイ版とベトナム版を追加した」という。

 さらに、「とくにタイは日系企業の進出が多く、製造拠点や物流のハブ拠点として位置付けられていることから、当社は2015年9月に香港、上海に次ぐ3カ所目の海外拠点をバンコクに設置し、現地でのサポート体制を整えた。当社としては、タイをはじめとする東南アジアの日系製造企業を中心にDynamics NAV 2016を訴求していきたい」と語った。

 Dynamics製品における企業規模別の位置付けは、図のようになっている。小林氏はDynamics NAVについて、「シンプルなデザインでありながら高い機能性を備えていることから、スピーディなスモールスタートが可能で、必要に応じて稼働後に拡張できるのが特長だ」という。

Dynamics製品における企業規模別の位置付け(出典:パシフィックビジネスコンサルティングの資料)
Dynamics製品における企業規模別の位置付け(出典:パシフィックビジネスコンサルティングの資料)

 また、「現時点で165カ国/地域で販売され、約3500社のパートナー企業が提供しており、導入実績は全世界で11万1700社に上る」としている。その最新版であるDynamics NAV 2016は、「In Office, On Azure, With CRM」というコンセプトのもと、他のマイクロソフト製品との連携機能が大幅に強化された。小林氏曰く「非常に完成度が高いERP」だという。

 今回の新製品によって、PBCは東南アジアでの事業展開を一層強化していく構えだ。その展開ぶりに注目しておきたい。

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