海外コメンタリー

Linux FoundationがIoT向けリアルタイムOS開発プロジェクト「Zephyr」発表--その可能性

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-02-23 06:30

 モノのインターネット(IoT)分野に新たなプレーヤーが登場した。Linux Foundationの「Zephyr Project」だ。本記事では、このプロジェクトが開発者とコンシューマーの双方にメリットをもたらす理由を考察する。

Linux Foundation、IoT向けのオープンソースOS「Zephyr Project」を発表
提供:Jack Wallen

 IoT分野が面白くなってきた。Linux Foundationは米国時間2月17日、リソースに制約のあるシステム向けの、小型かつスケーラビリティのあるリアルタイムOS(RTOS)を開発するプロジェクト、Zephyr Projectを立ち上げたと発表した。Zephyr Projectは複数のアーキテクチャをサポートし、その成果物はApache License 2.0で利用可能になる。

 これは朗報だ。その理由はたくさんある。まずは可能性のいくつかを考察してみよう。

イノベーション

 何よりもまずオープンソースであることが重要だ。Zephyr ProjectによってIoT機器のイノベーションが著しく加速されるだろう。新興企業はOSのライセンスについて考慮したり、自社製品に搭載するOSを開発するという重荷から解放される。IoTでイノベーションを起こしたいのだろうか?ならば、Zephyr Projectからソースコードを入手し、すぐに作業に取りかかってほしい。

 オープンソースプラットフォームでの作業により、くびきから解き放たれたイノベーションも可能になる。Zephyr Projectが依拠しているオープンソースの根幹とも言える性質は、必要なものごとすべてを与えてくれるはずだ。開発者の意向を「阻まない」という点は、IoTプラットフォームにとって理想的と言えるだろう。どのような機能や特徴であっても盛り込めるのだ。

 また、世界中の開発者がこのプロジェクトに貢献することを考えると、その成長速度は著しいものとなるはずだ。

モジュール化

 Zephyr Projectではモジュール化されたかたちで開発が進められる。そのカーネル(そして関連モジュール)は8Kバイトのメモリで実行可能となっている。また、プロジェクトの成果物は好きなように使用でき、必要であればいくらでもモジュールを無効化できる(そのためのツール「kconfig」も同梱されている)。さらに同プロジェクトは、サードパーティーのモジュールと統合するうえで必要なすべてのものも提供する計画だ。

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