映像の4K化でデータも大容量化--東映デジタルラボ、テープバックアップ環境刷新

NO BUDGET 2016年02月25日 12時56分

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 東映デジタルラボでは、4K時代に対応するためにテープドライブでのバックアップアーカイブ環境を刷新、本格稼働を開始した。新システムでは、データ転送レートの高速化でバックアップ作業時間を従来の半分以下となり、テープ1カートリッジあたりのデータ容量が従来の4倍以上となり、4Kで撮影した映画や番組のデータを丸ごと収録して顧客に納品できるようになったという。ネットワールドが2月23日にユーザー事例として公表した。

 東映デジタルラボは、東映のグループ会社である東映ラボ・テックの子会社として2010年に設立。練馬区の東京撮影所内にある東映デジタルセンターでオープン撮影素材のデータ管理やポストプロセッシングサービスなどのデジタル業務を担っている。

 同社は、映像制作会社の撮影データを一次的に編集仕上げ用の専用サーバに取り込んで処理した後、これまではLTO-5/LTO-6データカートリッジにバックアップ、アーカイブしてきた。しかし昨今では4K解像度での撮影が増加、テラバイト級の大容量撮影データが日々持ち込まれるようになり、LTOデータカートリッジでのバックアップ、アーカイブが限界となっていた。

 例えば、一部の業務用の4Kビデオカメラは1秒あたり240Mバイトでデータを生成するため、延べ5時間分の撮影では4Tバイトを超えるのに対し、LTO-6はカートリッジ1巻あたり2.5Tバイトと容量が不足。バックアップの所要時間もLTO-6のデータ転送レート1秒あたり160Mバイトでは1Tバイトあたり1時間以上にもなる。

 こうした課題を解消するために同社は、LTO-6の4倍に相当する10Tバイトの大容量、最大1秒あたり360Mバイトのデータ転送レートというテープドライブ「IBM TS1150」と「IBM 3592 JDデータ・カートリッジ」の採用を検討。IBM東京ラボラトリー内に用意した実証環境で、カタログスペック通りの1秒あたり360Mバイトの性能が常時発揮されることを確認した。

 ネットワールドが自社の検証施設「GARAGE」で導入予定のラックマウントのx86サーバ「Cisco Unified Computing System(UCS)C220 M3」2台のTS1150をファイバチャネル接続した構成を用意し、さまざまな運用パターンでの性能を検証、期待通りの性能を出せることを事前に確認した。導入前検証で期待通りの性能を出せることを事前に確認できたことが導入決定を後押しし、両社の技術や製品に精通している強みが技術支援や導入支援に役立ったという。

 こうして新しいシステムが構築され、データ転送レートは2倍以上に高速化しバックアップ時間は従来の半分以下となった。また、TS1150のファイルシステムであるLTFS(Linear Tape File System)のオペレーションも非常に簡単で、GUI画面からドラッグ&ドロップ操作でコピーできることから、煩雑だったバックアップ作業の負荷が大幅に軽減され、社内スタッフは本来の業務である編集仕上げサービスや新たなアプリケーション開発に、より多くの時間を割けるようになったという。

データフローとシステムの構成
データフローとシステムの構成(ネットワールド提供)

 東映デジタルラボでは現在、編集作業が完了した後のバックアップデータをデータテープで納品するという新しいサービスを構想している。撮影データは本来、フイルムやビデオテープと同様に生素材であり、顧客側で保管、管理するのが業界の慣例とされている。

 この構想に対しても、1巻あたり10Tバイトの3592 JDであれば、4K映像データでも10時間分以上を記録できるので、通常の映画やテレビ番組であれば、撮影データを丸ごと1巻に収めてバックアップ可能となり、東映デジタルラボでも、顧客側でも管理が非常にシンプルになると期待される。

 現時点では、テレビ番組制作会社の一部の顧客に先行的にサービスを提供しつつ、そのサービスのメリットを検証しながら、新しいビジネスモデルの確立を模索している段階で、顧客側にTS1150が普及するまでは、東映デジタルラボのシステムのバックアップテープからデータを読み出し可能にするサービスとして提供する計画という。東映デジタルラボは、同サービスの公開に向けて「いつ撮影した、どの素材が、どのデータカートリッジに記録したか」をすぐに検索できるコンテンツメディア管理のシステムも提供している。

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