海外コメンタリー

クラウドをバックアップと災害復旧に活用する--10のベストプラクティス - (page 2)

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-02-29 06:30

6.クラウドプロバイダーのガバナンスについて注意深く検討する

 利用するクラウドプロバイダーのセキュリティやデータの保全、プライバシー、IT運用に関するポリシーや慣行は、少なくとも自社のものと同水準でなければならない。水準が劣っている場合は、別のプロバイダーを選択すべきだ。

7.プロバイダーに対して、定期的なIT監査および財務監査の結果の提示を求める

 クラウドプロバイダーに対して実施するデューデリジェンスの一部として、プロバイダーの技術的なパフォーマンスと財務に関する定期的なレビューを含めるべきだ。クラウドプロバイダーは、顧客に対して定期的に満足できる水準のITセキュリティと性能に関するレビューを提供すべきだ。また、ビジネスパートナーとして長期的に存続できることを保証できるよう、財務の健全性についても監査によって示す必要がある。

8.SLAを作成し、レビューする

 問い合わせに対する回答や、問題の解消、障害復旧にかかる平均時間などの、サービス品質保証(SLA)を提供していないプロバイダーは驚くほど多い。これらの分野において、求める水準のサービスを確実に得るための最善の方法は、自分でプロバイダーに求めるSLAのドラフトを作成し、プロバイダーと契約する際に、契約書にこれを補遺として添付することだ。SLAを維持するプロセスの一部として、ベンダーに対して、SLAに関するパフォーマンスのレビューを四半期ごとに行うことを要求している企業もある。

9.クラウドのためのITアーキテクチャを設計する

 多くの組織(特に中小企業)では、今後5年間のエンドツーエンドのクラウドアーキテクチャに関する見通しなどを作成しないまま、必要に応じてクラウドを導入する傾向がある。多くの企業は、利用するすべてのクラウドアプリやデータを包含する上位のアーキテクチャを設計する際、パブリッククラウドのサービスと自前のデータセンターのリソース利用したプライベートクラウドを組み合わせた、ハイブリッド環境が必要だと言う結論に至っている。どのアプリケーションでどのクラウドやデータセンターサービスを利用する可能性が高いかを示すロードマップまで含めた、完全なアーキテクチャを設計すると、将来の拡張や、データのバックアップや復旧について、効果的に計画を立てることができる。

10.ITスタッフにクラウドを利用するためのトレーニングを施す

 クラウド技術に関するトレーニングのクラスや公式な資格を提供しているトレーニング企業や、パブリッククラウドサービスプロバイダーは増えている。パブリッククラウドやプライベートクラウド、データセンターを組み合わせた環境を拡張していくにつれて、ITスタッフがクラウドサービスに関する正式なトレーニングを受けていることは重要になる。クラウドが自社のITインフラで重要な位置を占める場合、戦略的な観点から、クラウドに関する専門的な知識を全面的に社外のクラウドプロバイダーに頼ることは望ましくない。特に、災害復旧をクラウドに頼る場合には、その重要性は高まる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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