日本IBMは3月1日、Watson IoT事業部を同日に新設したと発表した。コグニティブコンピューティング「IBM Watson」とIoTが密に連携する新しい次元の“つながる”ソリューションをユーザー業界ごとに創出する。
新事業部は、日本を含むアジア、欧州、米国の8カ所の「Watson IoT Client Experience Center」と連携し、ユーザーとパートナー向けにコグニティブコンピューティングを活用した新しいソリューション開発、作成に必要なテクノロジ、ツールを提供する。
IBMは、IoTの世界では複雑で膨大なデータを理解するためコグニティブコンピューティングの活用が不可欠として、WatsonのAPIとサービスをIBMのクラウド上で提供し、コグニティブIoTのソリューションとサービスの開発を加速させているという(関連記事1、関連記事2)。
IoTが効果を発揮する領域として、つながるクルマ、スマートマニュファクチャリング、コネクテッドライフ、ヘルスケア、スポーツやエンターテインメント、小売業の店舗――という6つのユースケースを想定し、ビジネスを推進しており、今後はユーザーやビジネスパートナー、スタートアップ企業、学術団体などとの活発なエコシステムを産業分野ごとに形成していくとしている。
スマートマニュファクチャリングでは、IoT技術を活用したスマートファクトリー実現に向け、技術協力することで三菱電機と合意。今後、両社の強みを生かし、ファクトリーオートメーション(FA)と情報システム間の連携強化に向けた取り組みを推進していく。
TechRepublic Japan関連記事:今必要なのはセキュリティコックピット--再注目されるSIEMの意義
インシデント発生時に迅速、正確に原因を突き止める“第3世代”SIEM--EMCジャパン
スキーマ不要でログを収集、検索、分析するSIEMの次世代性--Splunk
検知後の行動も定義、“グレー”な振る舞いを見極めるSIEMの分析力--HPE
“マグニチュード”で危険度を数値化するSIEMのインテリジェンス--日本IBM
セキュリティ対策をライフサイクルで捉えるこれからのSIEM--マカフィー
コネクテッドライフでは、IoTを活用した協業でソフトバンクと合意。家電やセキュリティ機器など住宅関連の多様な機器との連携を促進し、位置情報や決済基盤などの通信事業者としての資産も活用して、安全、安心、快適な生活環境の構築を目指し、多岐にわたる産業とのエコシステムを促進していくという。
ヘルスケアでは、ミネベアや千葉大学の大学院医学研究院と医学部附属病院とも協業し、ミネベアの高精度荷重センサひずみゲージを応用した計測機器と最新のテクノロジを組み合わせ、生体情報モニタリングシステムの開発を視野に実証を進めている。
ビジュアルコミュニケーション分野では、リコーとの間で協業に合意。意思決定の速度や質の向上に寄与する分野として、リコーのビジュアルコミュニケーション製品やサービスとWatson IoT platformが連携することでコグニティブワークプレイスを進める。
日本IBMは今後、幅広い業界の企業が既存データとIoTデータを組み合わせて、新しいビジネスモデルを構築、意思決定、コスト削減、業務を最適化するためのシステムを活用できるよう6つのユースケースを重点分野として捉えて、協業を推進していく。