「無印良品」を展開する良品計画は、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「MotionBoard Cloud」を導入した。エリアマネージャーや店舗開発担当者が、エリアや顧客の年代、性別などの切り口で来店客の情報を地図上で可視化する商圏分析を可能にしている。ウイングアーク1stが3月3日に発表した。
良品計画では、2013年に提供開始したスマートフォン向けアプリ「MUJI passport」で得られた顧客の行動データが、これまでのツールでは十分に活用されておらず、エリアマネージャーらは商圏サイズや特性などを感覚的にしか把握できていないという課題を抱えていた。
同社では、これまでも商圏分析が可能なツールを利用してきたが、データサイエンティスト向けの機能が多く操作が難しいこと、また地図を利用するGISツールではコストに難があったという。
そこでツールの入れ替えを検討した結果、MotionBoard Cloudの導入を決定した。採用理由としては、1)数千万件レベルのデータをスピーディーに地図上にプロットできること、2)直感的に操作できるインターフェースがあること、3)性能とコストのバランスがとれていること、4)クラウドを選択することでサーバ運用が委託でき、セキュリティ面での安心感があること――を挙げた。
良品計画では現在、MotionBoard Cloudを用いて、MUJI passportのサービスから収集される顧客の行動データを商圏分析に活用している。
具体的には、必要な情報を網羅する画面を開発。店舗で商品を購入した顧客がどのような行動から購買に至ったのかといったことを、アプリの位置情報を活用して地図上にプロットして分析する。
エリアマネージャーや店舗開発担当者が確認する商圏分析画面(ウイングアーク1st提供)
エリアマネージャーはこれまで商圏の市場規模や特性を感覚的に把握してきたという。それが今では、担当地域の購買客について「どこから集まるのか」「商圏距離はどのくらいか」「購入者の密度はどれくらいか」といった具体的な推定が可能になった。また、店舗開発担当者は、新規出店の際に既存の店舗にどれくらい影響があるかを分析し、開店後に予測どおりに集客できるかを確認している。