野村総合研究所(NRI)は3月3日、関西で2カ所目となる「大阪第2データセンター」の建設を完了したと発表した。ITホールディングスグループのTISとNRIが共同で運営するデータセンターで4月27日にサービスを開始する。
近年、首都圏の広域災害を想定した事業継続計画(BCP)と災害復旧(DR)サイトの重要性の高まりとともに、関西地区におけるITアウトソーシングサービス、クラウドサービスの需要は拡大傾向にある。この需要に応えるべく、NRIでは大阪第2データセンターを関西地区の基幹センターとして建設した。
耐災害性、耐障害性を備えた建物と設備に加え、利用者の役割や権限にあわせて動線を分離するなど、高いレベルでのセキュリティを実現している。あわせて、敷地内に事務棟を併設し、効率よく業務ができる敷地構成によって作業時の利便性も確保した。
大阪第2データセンターの開業により、関東地区と関西地区のデータセンターを連携した相互バックアップや機能分散など、広域災害への対策を強化する。これにより、NRIが提供する共同利用型サービスや、SIサービスの可用性がさらに向上するとしている。
BCP/DR対策における大阪第二センターの位置づけ(NRI提供)
大阪第2センター外観(NRI提供)
施設の概要は次の通り。
- 所在地と立地特性:大阪、北摂地域。大阪湾より約20km、海抜約185m
- ビル概要:基礎免震構造、データセンター専用施設
- 施設概要:FISC(The Center for Financial Industry Information Systems:金融情報システムセンター)準拠、JDCC(特定非営利活動法人日本データセンター協会)ファシリティスタンダード ティア4レベル準拠
- セキュリティ設備:3Dボディスキャナ、入退管理システム、ITVカメラ監視、赤外線センサ、セキュリティゲート、X線検査装置など
- 災害対策:自家発電による72時間の自立運転が可能
- 特別高圧:異変電所より3回線受電(本線、予備線+予備電源線)
- ネットワーク:同一キャリアの異局異経路引き込みおよびマルチキャリア対応