三菱電機とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月3日、監視カメラシステムに、映像解析技術(AIによる人間の動作検知など)やクラウドネットワークなどのサービスを組み合わせた新たなソリューションの提供における協業を発表した。
両社では、2016年度上期から小売店舗や金融店舗など実フィールドでの実証実験を開始し、映像解析の実用性の確認やネットワークを含めたシステムの最適化を検討し、実サービスの提供を目指す。
三菱電機は、1954年に国産第1号の監視カメラ(火力発電所の炉内監視に利用)を製品化して以来、主に道路・河川・ダム・港湾などのさまざまな公共施設に監視カメラや映像解析システムを提供してきた。
- TechRepublic
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近年は、この技術を活用し、公共施設に加えてコンビニやスーパーなどの小売店舗、金融店舗、ビルなどの幅広い分野に製品を提供している。
一方のNTT Comは、2012年に企業向けのクラウドサービス「Enterprise Cloud」の提供を開始し、幅広いAPIの対応や、VPN接続によるアクセス、クラウドリソース管理のためのポータル機能を提供。映像解析においては、人間の動作を理解する新しい人工知能「時系列 Deep Learning」を開発、映像データから、「きょろきょろしている」「しゃがんでいる」「ものを置いている」といった動作を高精度に検知することに成功している。
このような技術を活用し、さまざまな用途に応じた映像データの解析を可能とする「映像解析プラットフォーム」(仮称)の提供を検討している。
三菱電機とNTT コミュニケーションズが目指す、監視カメラを用いた新たなソリューションのイメージ(三菱電機提供)
三菱電機の強み
- 高性能・高品質の監視カメラシステム
- 防犯、インフラ設備監視でのシステム構築のノウハウ
- 光通信、無線通信、映像解析における高度な技術力
NTT Comの強み
- ネットワークを含めたクラウドサービス
- AIによる動作検知など映像解析技術
監視カメラシステムは近年、デジタル化やクラウドネットワーク化の普及と映像解析の高度化・精度向上により、マーケティングやインフラ/設備機器の遠隔保守に加えて、見守りや介護の支援などにも活用範囲が拡がっており、さらなる需要拡大が見込まれる。
このような市場環境下で、両社の製品・サービス・技術・ノウハウを組み合わせることにより、防犯用途だけでなくユーザーのニーズに合わせたさまざまなサービスの提供を目指し、監視カメラを利用した新しいビジネスの創出を図っていくとしている。