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海外コメンタリー

ワークデイは財務管理でSAPやオラクルに対抗できるのか

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-03-11 06:00

 クラウドERPを手がけるWorkdayは、財務管理ソリューション事業の顧客数を2015会計年度末の時点で207社とした。この事業の前途について、アナリストの間で意見が分かれている。

 この議論は、Workdayが2月末に第4会計四半期の業績を発表したあとに起こった。同四半期の業績は堅調で、同社は財務管理ソリューション事業の成果を自賛した。Workdayの将来的な成長は、同社の人事管理ソリューションを利用している顧客が、どれだけ財務管理ソリューションを導入するかにかかっている。その目論見が当たれば、Workdayは次世代クラウドERPプロバイダーの中心的存在になり、エンタープライズ市場でSAPやOracleを追い落とすことも可能になる。

 アナリストが問題にしているのは、それが現実的かどうかだ。例えば、投資銀行MacquarieのアナリストSarah Hindlian氏は、「Workday. Some Day, One Day.」と題した調査レポートの中で、同社の投資評価を「Underperform」(弱気)とした。

 同氏は、Workdayは人事管理ソリューション市場ではリードしているが、財務管理ソリューション市場で成功するかはまったくの別の問題だと主張している。簡単に言えば、Workdayの財務管理ソリューションには、人事管理ソリューションのような成長は望めないといういうことだ。Hindlian氏は次のように書いている。

 財務管理ソリューション事業の顧客数は増えているものの(2016会計年度第4四半期には、45件増加して200件を超えた)、財務管理ソフトウェア市場では、人材管理ソフトウェア市場のようにクラウドサービスが広く受容されるとは期待できない。財務データは極めて秘密性が高く、保管場所に関して法的な制約が課せられているのに加え、新たなERPプラットフォームへの移行には、要する時間もリスクも大きいことがその理由だ。財務管理ソフトウェアの顧客は今後もかなりの勢いで増加し続けると予想されるが、その成功は主に小規模組織を対象としたものであり、Workdayが人事管理ソリューション市場に参入した時点と比べると、環境が極めて厳しくなっていることから、その競争の激しさによって契約条件にも圧力がかかると考えられる。

 Hindlian氏の見方は、財務ソフトウェアの分野では主にハイブリッドクラウドを利用したアプローチが主流になる可能性が高いという考え方に基づいている。あるいは、オンプレミスソリューションが主流になる可能性さえある。このため同氏は、Workdayは大規模企業市場では苦戦する可能性が高く、Workdayの財務管理ソリューションを採用するのは主に中間市場だとみている。さらにHindlian氏は、次のように付け加えている。

 Workdayの顧客ベースに対する当社独自の分析によれば、財務管理ソリューションが導入されるのは、主にサービス業界の中間市場と、教育機関や政府機関のあまり複雑でない事例に限られると予想される。

 もし株式市場でおける同社の評価が同業他社に対してこれほど高くなければ、Workdayの成長に対する期待が(中間市場にしても、大規模企業市場にしても)これほど大げさなものになることはなかっただろう。Thomson Reutersによれば、Workdayの株価キャッシュフロー倍率は47倍だ。これに対し、Salesforceは24.2倍、Oracleは11.4倍となっている。どの指標を取ってみても、Workdayの株価はあまりに高すぎる。Thomson Reutersのデータによれば、売上高予想を元にしたWorkdayの株価は、同業他社に比べ65.7%高い。

 最初の四半期の展望がよいことばかりではなかったにもかかわらず、多くのアナリストが、Workdayの財務管理ソリューション事業の計画は成功すると考えている点は注目に値する。

 FBN ScuritiesのアナリストShelby Seyrafi氏は、Workdayの今後の見通しに関して楽観的であり、同社の財務管理ソリューションには今後「2次関数的」成長が期待されると述べている。ただし、Seyrafi氏の調査ノートには、Workdayに対する期待と危惧の両方が記されている。

 Workdayの財務管理ソリューションが小規模だったときには、競合する相手はNetSuiteだった。しかし、財務管理ソリューション事業が成功しつつあることで、今や競合する相手はOracleやSAP(あるいは、Microsoftの「Dynamics」や「GreatPlains」)になりつつある。

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