Microsoftは米国時間3月7日、「SQL Server on Linux」のプライベートプレビュー版を公開した(関連記事)。プレビュー版はUbuntu上で利用できるほか、Linux上のDockerイメージとしても提供する。今後、Red Hat Enterprise Linuxにも対応する計画だ。
今回、SQL ServerのLinux版を出してきたMicrosoftの狙いはどこにあるのか。ひと昔前のMicrosoftであれば、これはLinux版Oracle Databaseにに対抗して市場を獲りにきたのだろうという見方ができた。しかし、エンタープライズの基幹系システムにSQL Serverを訴求する目的であれば、わざわざLinux版を用意することはない。サポートの面でも品質的にもWindows ServerでSQL Serverを使う方が合理的だ。
むしろ今回の発表は、最近とみに激しい同社のOSSへのアプローチの一環と捉えるのが正しいだろう。「Microsoftの製品はデータベースでさえどこでも動くのだ」ということを具現化するためのLinux対応だ。
Javaもその他のOSSも使いたいという場合、それらが動くのはたいていLinux。そこでデータベースが必要ならOSSのPostgreSQLやMySQLでもいいかもしれないが、Linux向けにSQL Serverを用意してもいいのではないか、といったところだろうか。将来的にSQL Serverのポータビリティ性も高めることにつながる第一歩でもある。