海外コメンタリー

Linux版「SQL Server」--マイクロソフトの狙いと残された疑問 - (page 3)

Andrew Brust (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-03-10 06:00

この試みは成功するのか?

 しかし、まだいくつかの疑問が残されている。Linux版のSQL Serverがオープンソースになるかどうかだ。ならないのであれば、依然としてMySQLやPostgreSQLとの間に摩擦が生み出されることになる。また、「OS X」(このOSもUNIXの系列だ)版の開発者向けSQL Serverが提供されるのかという疑問にも答えが出ていない。されないのであれば、OS Xを使用しており、時折ローカル環境やオフラインでデータベースを稼働させたいと考えている多くの開発者にとっては落胆する話になるだろう。

 *NIX版のSQL Serverというのは目新しい話ではない。SQL Server製品は元々MicrosoftとSybase(現在はSAPの子会社)の提携によって市場にもたらされた製品だ。SybaseのビルドはUNIX上で動作する一方、MicrosoftのビルドはWindows上と「OS/2」上で動作していた。しかしその後、MicrosoftとSybaseは袂を分かつことになった。このためMicrosoftはコードベースを刷新し、ゼロから開発したWindows専用の「SQL Server 2005」を市場に投入したという経緯がある(ちなみに筆者の書籍の初版ではこのバージョンを扱っていた)。こういった経緯があるものの、Linux版のSQL Serverは極めて重要な意味を持っている。

 ここで述べた懸念があるため、同社にとってこの決断が功を奏するかどうかは分からない。しかし、ここでは詳細に立ち入らないでおこう。Linux版のSQL Serverは正しい戦略であり、同社による他の考え抜かれた戦略(「iOS」版や「Android」版の「Office」や「Outlook」、Linux版のHDInsight、Azure上のLinuxなど)とともに、全体的な戦略を構成している。全体的な戦略は既に成果が現れ始めており、Linux版のSQL Serverという戦略によって今後、さらに大きな成果がもたらされるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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