米Wind Riverは、IBMと協業してネットワーク対応のスマート端末の開発を簡素化し、IoTの動きを加速させるための取り組みを1月から進めている。センサなどのエッジから、データを受け取るクラウドまで、IoTを活用するための手法などを記したレシピを提供することで、製造業などのIoT導入を促進する。
新レシピでは、「IBM Watson IoT Cloud Platform」の各種サービスにPaaS「Wind River Helix」統合する方法を顧客に紹介する。顧客はレシピの手順に従い、Wind River製ソフトウェアが稼働する産業用端末をWatson IoT Cloud PlatformにつなぐことでPaaS「IBM Bluemix」などにアクセスできる。ネットワーク対応スマートデバイスの開発者はより迅速かつ容易に開発できるようになるという。
顧客はレシピの手順に従い、Wind River製ソフトウェアが稼働する産業用端末を「IBM Watson IoT Cloud Platform」につなぐことで、IBMが提供するPaaS「Bluemix」やアナリティクスにアクセスできる。
Wind RiverとIBMの協業の図
IoT開発者は、ネットワーク対応スマートデバイスを、より迅速かつ容易に開発できるようになる。
また、両社のレシピとリファレンスアーキテクチャでは、デバイス管理、IBMの機械学習技術の応用など、IoTソリューション全体にかかわる構成要素も提供する。リファレンスアーキテクチャには、スマートビルディング、輸送、ファクトリオートメーション、ヘルスケアなどさまざまな市場で端末やシステムの運用管理、デプロイを実施するための各種機能を搭載する予定としている。
Wind RiverのOSである「VxWorks」「Rocket」「Pulsar Linux」に加えて、River Helix Cloudを対象にしたレシピは、Watson IoT Cloud PlatformやBluemixなどと統合して、デバイスデータを処理する方法を顧客に案内する。
IBMのWatson IoT事業部バイスプレジデント、Bret Greenstein氏は「両社が力を合わせて、エンジニアによるネットワーク対応デバイスの開発や運用管理の向上を支援するとともに、ビジネスリーダーがインサイトを入手し、十分な情報に基づくビジネス上の意思決定をできるように支援することを目指している」とコメントしている。