狙われるIoT--2016年の最重要課題は「制御システムの安全確保」 - (page 2)

鈴木恭子

2016-03-15 07:30

IoT+制御システムが抱える課題

 「われわれはあらゆるIoTデバイスにセキュリティ機能を搭載する支援を進めている。その中で言えるのは、IoTのセキュリティ対策は千差万別であり、一括りで語れるものではないということだ」

Symantec IoT担当シニアディレクター Brian Witten氏
Symantec IoT担当シニアディレクター Brian Witten氏

 こう語るのはSymantecでIoT担当シニアディレクターを務めるBrian Witten氏だ。同氏はコンシューマーデバイスのIoTから自動車制御システムのセキュリティ機能の組み込みまでを手掛けている。現在は日本の自動車メーカーに対して車載システムの組み込みセキュリティに関する支援を進めており、「年に数回は日本に通っている」という。

 Witten氏はIoTのセキュリティが抱える課題として、「デバイス側のコンピューティングパワーに制限がある」「IoTを制御するシステムが分断している」「セキュリティアップデートが困難である」ことを挙げる。特に自動車の制御システムは複数のソフトウェアスタックとプロトコルが混在しており、「どのソフトウェアが、どこに接続され、どの部分に影響を与えるのかを見極めることが難しい」(同氏)

 さらに、現在稼働している制御システムは、1990年代より稼働しているものが多く、そもそも、外部ネットワークと接続される前提で設計されていない。Witten氏は「こうしたシステム(ソフトウェア)のアップデート手段を確保することは、困難だが必ず実施しなければならない」と訴える。

 日本企業は欧米企業と比較し、IoTの導入が進んでいないと指摘されている。その点についてWitten氏は、「IoTのセキュリティに対する課題は、日本企業も米国企業も差異があるとは思わない。ただ、IoTのセキュリティは複雑であるがゆえに、慎重になる企業が多いといったことだろう」と指摘した。

 ちなみに、日本では自動車産業やスマートシティ(ハウス)のほか、複数の医療機関でもIoTの導入を前向きに検討しているとのことだ。

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