DevOpsとは開発と運用の改善ではない:4人の“DevOpsガイ”が熱弁

谷川耕一 羽野三千世 (編集部)

2016-03-24 08:00

 ビッグデータやIoTと並び、最近IT業界で流行っている言葉に“DevOps”がある。これは文字通り開発(Development)と運用(Operation)を合成したキーワードだ。開発担当者と運用担当者が連携することで、迅速で継続的なITシステムの開発と運用を実現する。

 このDevOps、話題にはなっているが日本ではまだまだ十分に普及しているとは言いがたい。そんなDevOpsの現状と未来について、日本を代表する“DevOpsガイ”の4人、クリエーションラインのテクノロジー・エバンジェリスト 前佛雅人氏、Ryuzee.com 吉羽龍太郎氏、日本マイクロソフト エバンジェリスト 高添修氏、米MicrosoftのDevOpsエバンジェリスト 牛尾剛氏が集結し、熱く語り合った。


左から、米MicrosoftのDevOpsエバンジェリスト 牛尾剛氏、クリエーションラインのテクノロジー・エバンジェリスト 前佛雅人氏、Ryuzee.com 吉羽龍太郎氏、日本マイクロソフト エバンジェリスト 高添修氏

牛尾:今日は私が厳選した日本が誇るDevOpsガイ3人を呼んで、私も含めた4人で日本のDevOpsの現状を共有したいと思います。実は、日本マイクロソフトが5月に開催する「de:code 2016」というイベントの会場でも、この4人のメンバーでチョークトークを実施する予定で、今回はそこでお話しするであろう内容の一部をオンライン版でお届けします。まずは、それぞれ自己紹介を。

前佛:クリエーションラインの前佛です。これまでのキャリアは、データセンターの中でホスティングのサポートをやってきました。そういう意味では、Ops側の仕事です。

牛尾:前佛さんが今熱いと思っている技術は?

前佛:熱いですか。HashiCorpという会社のツールですかね。これはかなり熱いです。

吉羽:私は今、DevOpsとアジャイル開発、クラウドのコンサルタントをしています。もともとは企業に所属してシステムエンジニアをやっていたのですが、スピンアウトしてコンサルタントとして働いていました。しばらくしてAmazon Web Servicesでコンサルタントの部隊を作る話があり、そこに参画しコンサルビジネスの立ち上げをやりました。昨年末に再び独立しました。

牛尾:吉羽さんにとっての今熱い技術は何ですか?

吉羽:マイクロサービスですかね。

高添:私はかれこれ15年日本マイクロソフトにいて、インフラ製品や技術を担当するエバンジェリストも11年やってます。Windows ServerもAzureもWindows 10も担当しますが、最近Azureを担当する人がすごく増えたので、今はむしろオンプレミスやプライベートクラウドの環境を、最新のクラウド技術を使って変えていくところに注力しています。

 実は、私が入社してすぐにマイクロソフトが発表した「Dynamic Systems Initiative」というのがありまして、これがまさに開発と運用を回していくDevOpsでした。でも当時はなかなか技術がついてこなくて、理想論から抜け出せなかったのですが、今ようやく、DevOpsという言葉でその概念を伝えるようになりました。感慨深いです。

牛尾:高添さんにとって今熱い技術は?

高添:Azureのクラウドをオンプレミスに再現する「Azure Stack」ですね。これは今、最も旬な技術だと思います。

牛尾:私の番ですが、私は米国Microsoft所属のDevOpsエバンジェリストで、DevOps全般を担当しています。DevOps関連では「Chef」や「Docker」などが大好きです。

 MSに来る前は、ほとんどMSの技術に触ったことはありませんでした。そんな自分がMSに入って分かったのは、サイロがあるということです。オープンソースの人たちはMSの技術を知らない、MSサイドの人はオープンソースを知らない。なので、私が社内で「オープンソースの世界にいる誰それが熱いですよ」なんて言っても周りはみんなぽかんとしている。なんだかもったいないなぁと思っています。

 オープンソースの技術とMSの技術をうまくマッシュアップできたら。そうすることで、MSでやっている人もオープンソースでやっている人も、もっと面白いことができると考えています。

 さて、自己紹介はこれくらいにして、さっそく日本のDevOpsの状況について話しましょう。

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