NECとジュニパーネットワークスは3月16日、グローバルでの協業関係を拡大し、通信事業者や一般企業が事業変革を進めるために必要な通信サービスの柔軟性向上と、コスト削減に寄与するネットワーク機能仮想化(NFV:Network Functions Virtualization)ソリューションの提供において提携したと発表した。
両社は、通信事業者や一般企業向けの高品質なソリューションの実現を共通の目的に、2003年から協業関係にある。これまで、アプリケーションに合わせた通信性能を柔軟に提供するために、マイクロ波・IP・光通信システムなどを重点領域と位置付けて注力してきた。今回の提携により、両社の提携関係は、ビジネスの改革を支援するSDN(Software-Defined Networking)やNFVソリューションまで拡大する。
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今回の提携で提供されるソリューションは、NECのミッションクルティカルシステム構築技術(オープンシステム構築においてNECが定義した6つの非機能要件である可用性・性能・運用性・拡張性・連携性・機密性を検証して品質を確保する技術体系)を活用したクラウド基盤「NEC Cloud System」と、通信事業者向け通信運用管理システム「OSS:Operation Support System」「BSS:Business Support System」、統合運用管理ソリューション「MANO:Management and Network Orchestration」、システムインテグレーションノウハウに、ジュニパーネットワークスの通信機器、仮想ルータ「vMX」や仮想ファイアウォール「vSRX」などの仮想ネットワーク機能(VNF:Virtual Network Functions)を組み合わせて提供するもの。
今回の協業の一例として、NECは、vCPE(Virtualized Customer Premises Equipment、顧客宅内通信機器の仮想化)ソリューションにジュニパーネットワークスのNFV対応機器とソフトウェアを活用。これをNECのOSS/BSSや、統合運用管理ソリューションで運用することにより、導入企業のサービスの迅速化、ネットワーク運用の変革、事業変革や事業運営を支援し、コスト削減に貢献する。
両社は今後、本ソリューションをグローバルに提供していくとともに、IoTや、リテール監視のクラウドサービスなどの検証のために最新の研究環境の整備、技術検証を共同で行っていくとしている。