ビッグデータとIoT(Internet of Things)は切っても切れない関係にある。このため米ZDNetの姉妹サイトであるTech Pro Researchは、企業におけるビッグデータとIoTの導入状況を調査した。この調査によると、ビッグデータを利用している大企業の割合は、中小企業の2倍以上だという。

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ビッグデータとIoTはいずれも急速に成長しており、これら2つを組み合わせて生きたデータを入手するという場合も多い。
ビッグデータの可能性は、企業が内外のデータを集積するコネクテッドデバイスをいかに活用できるかに左右される。ビッグデータアナリティクスのコストは2016年に下落すると予想されており、そうなれば企業は市場や業務に関するデータの収集をずっと容易に実現できるようになるはずだ。
Tech Pro Researchは、企業におけるビッグデータやIoTの利用に関する調査を2015年に実施した。そして2016年1月には、目ざましい進歩を遂げているこの分野で起こった変化を探り出すために、フォローアップ調査を実施した。
2016年の調査では、2015年の調査と同様のコンセプトに基づき、IoTによるデータ収集においてどのような進歩(そして落とし穴)があったのかという点に焦点を当てている。その結果は「Big data and IoT - Benefits, drawbacks, usage trends」(「ビッグデータとIoT - その長所や短所、利用トレンド」)というレポートにまとめられている。
企業によるビッグデータの利用状況
この調査における一番の目的は、ビッグデータがどのような企業で利用されているのかを明らかにすることだった。調査の結果、ビッグデータソリューションを導入している企業の割合は29%であり、61%は導入していないと分かった。これらの数値は、2015年の調査時とほとんど変わっていない。

ビッグデータソリューションを既に導入しているか?
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ここで、企業の規模に注目してみたい。大企業では中小企業に比べてビッグデータソリューションの導入が進んでいるという傾向がある。実際のところ、従業員数が1000人以上の企業では、導入済みという回答が、まだ導入していないという回答の1.5倍近くにのぼっている(それぞれ49%と35%)。一方、中小企業に目を向けてみると、ビッグデータを導入済みと回答したのはおよそ5社に1社しかない。またおよそ4分の3が、ビッグデータソリューションを導入していないと回答している。

ビッグデータソリューションを既に導入しているか?(企業の従業員数別)
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次に、地域に着目してみよう。アジア太平洋地域の企業では、ビッグデータソリューションを導入済みだと回答している割合が高く、2位である欧州との差は19ポイントとなっている。これに対して、中南米では導入率が低くなっている。

ビッグデータソリューションを既に導入しているか?(地域別)
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