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日本株展望

建設・土木株の投資判断

ZDNet Japan Staff

2016-03-24 10:48

 3月23日の日経平均は前日比47円安の1万7000円だった。日経平均はしばらく1万7000円近辺で、大きくは上へも下へも動きにくくなると見られている。今回は、建設・土木株について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

建設・土木株を見直し

 世界景気や円高に不安が残る中、内需好業績株や小型成長株に注目が集まりやすい展開が続いている。建設・土木株は、内需好業績株として注目できる。

 3月22日に、鹿島(1812)が今期(2016年3月期)の業績予想を大幅に上方修正して注目された。連結経常利益の見通しを、前期比190%増の620億円から同310%増の1100億円に修正した。国内建築工事の利益率が向上する見通しとなったことが上方修正の主因だ。

 今期は業績予想の下方修正を発表する企業が目立ったが、建設・土木業は逆に、複数回にわたり業績予想を上方修正している銘柄が多数ある。

建設・土木業主要9社の今期(2016年3月期)経常利益(会社予想)
昨年5月時点の期初予想と現在の予想比較

建設・土木業主要9社の今期(2016年3月期)経常利益(会社予想)昨年5月時点の期初予想と現在の予想比較
(注:各社決算短信より楽天証券経済研究所が作成)

 建築・土木事業の粗利(完成工事総利益率)が予想以上に改善したことが業績予想を上方修正する主因となっている。仕事量が豊富にある中で、建設各社の施行能力が限られるため、選別受注が可能になった効果が出ている。

 かつてのような受注単価の叩き合いは姿を消し、建築単価の引き上げが通るようになった。建設労働者が不足し、人件費の高騰が続いていることがマイナス要因だが、それが過当競争を抑える要因にもなっている。

 2020年まで、東北復興やリニア新幹線工事、東京再開発、五輪準備、国土強靭化など建設・土木関連の仕事はたくさんある。建設・土木株の収益拡大は2020年頃まで続く可能性がある。

建設・土木株へ投資するリスク

 以下の3つのリスクを意識しておく必要がある。

(1)マンションくい打ち工事の不正問題

 旭化成建材の不正が明らかになってから、既存マンションで同様の不正がないか調べる動きが全国に広がった。その結果、日本の大手ゼネコンでくい打ちなど下請け業者を十分に管理できていないケースがあることがわかってきた。

 熊谷組(1861)では、子会社のくい打ち業者が不正を行っていたことが判明している。この問題はまだ完全な解決をしていない。未解決の問題を抱えるゼネコンへの投資はリスクが高いと考えられる。

(2)2020年以降、仕事量が頭打ちになる可能性があること

 2020年まで仕事量は豊富だが、その後、頭打ちになる可能性がある。仕事量が減れば、過当競争が続く、元の体質に戻るリスクもある。2020年はまだ4年も先なので、あまり気にしなくてもいいかもしれない。ただし、そういうリスクがあることがわかっていると、建設株は、PER(株価収益率)で高い倍率まで買われにくくなる可能性がある。

(3)低めの業績予想リスク

 今期(2016年3月期)は、前期(2015年3月期)に続き、建設業の業績は好調だった。ところが、建設業には利益がたくさん出ることを外部に知られたくない体質がある。前期も今期も、期初には非常に低い業績予想を出しておいて、後から上方修正を繰り返している。

 来期(2017年3月期)も期初は、非常に低い業績予想をたててくる可能性がある。今期業績が絶好調でも、来期について減益の予想を出されると、一時的に株価が嫌気して下がる可能性がある。来期の業績予想が会社から出される5月頃は要注意だ。

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