「自らソフトを開発すべき」:Pivotalジャパンの事業戦略に見る企業ITの行方

三浦優子 2016年03月25日 13時39分

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 Pivotalジャパンは3月24日、2016年度の事業戦略を発表。昨年12月から稼働している「Pivotal Labs東京」も公開した。

 Pivotalは、(1)データ分析の統合基盤「Pivotal Big Data Suite」、(2)ソフトウェア開発メソドロジ「Pivotal Labs」、(3)PaaS基盤ソフトウェア「Pivotal Cloud Foundry」――の3つを基幹事業としている。

Pivotalジャパン カントリーマネージャー 正井拓己氏
Pivotalジャパン カントリーマネージャー 正井拓己氏

 日本法人のカントリーマネージャーである正井拓己氏は、「昨年度は、ワールドワイドで企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するという目標を掲げ、欧米を中心に実現している。日本では今年がデジタルトランスフォーメーション元年になると考えている。昨年12月にオープンしたPivotal Labs東京を核に日本のお客さまのデジタルトランスフォーメーションを支援していきたい」と今年度の事業方針を説明した。

 2016年度はクラウドとデータ分析を総合して提案、IoT、先進アプリなどのプロジェクトの推進、FinTechやコネクテッドカーのソリューション事例の送出、国内パートナー企業との連携強化などを進めていく。

 企業改革支援の戦略基地としているPivotal Labs東京はすでに4つのプロジェクトを受注し、推進している。ディレクターを務めるDanny Burkes氏は、「過去20年間、業界はアウトソーシングを進めてきた。デジタルトランスフォーメーションを実践するためにはこれをひっくり返し、自らソフトウェアを作り上げていかなければならない。これを実現するために、ソフトウェアを開発することにとどまらず、優れたソフトウェアを開発するチームを育成するのがLabsの目的」と説明。プロジェクトに関わったスタッフが長期的にソフトウェア開発に携わるためのメソッドを提供していく。

企業自身がソフトウェア開発に取り組むべき

 Pivotalは、ビッグデータ関連ソフトウェアのオープンソースソフトウェア(OSS)化を進めている。2015年5月にインメモリデータスコア「Apache Geode」、9月にHadoop上のデータをSQL文で分析するためのインターフェース「HAWQ」と分析アルゴリズムライブラリである「MADlib」、10月に超並列処理(Massively Parallel Processing:MPP)型のデータウェアハウス(DWH)専用データベース「Greenplum Database」がOSS化された。これにより、全てのビッグデータ関連ソフトウェアのOSS化が完了した。

 同社のビッグデータ関連ソフトウェアの優位性として、正井氏はFord Motorが“Ford Smart Mobile”に同社製品を採用していることを「象徴的な事例」として挙げた。

 Smart MobileはIoTの仕組みを活用しており、そのデータ分析基盤やクラウド基盤、アプリケーション開発手法にPivotalの製品やサービスを採用している。正井氏「機械のセンサから上がってくる情報を分析するIoT向けデータ分析基盤として評価された」と優位性を訴えた。

 「日本でも富士フイルムがBusiness Analytics as a Serviceを実現する分析基盤として、Hadoopを活用して構築。富士通エフ・アイ・ピーは小売業向けに顧客情報と商品購買情報を掛け合わせたID-POSデータ分析システムにHadoop基盤を採用していただくなどの実績が出ている」(正井氏)

 Pivotal Cloud Foundryについて正井氏は「金融、製造、通信など大企業が戦略的プラットフォームとして採用する例が出ている」と言及した。「Philipsはヘルスケアスイートのデジタルプラットフォーム構築にPivotal Cloud Foundryを活用するといった事例が出ている」

 「日本でもヤフーがインターネットサービスシステムの開発生産性をさらに向上させるためにPivotal Cloud Foundryを採用。NTTデータはグループ内のアジャイル開発を集約した開発基盤をPivotal Cloud Foundryと統合し、システム開発と運用のシームレスな連携を実現した」(正井氏)

 Javaの開発フレームワークである「Spring」は2013年からPivotalで開発されているが、Springは現在、「クラウドネイティブなアプリケーション開発のフレームワークになった」(正井氏)と説明。日本では、新日鉄住金ソリューションズやNTTデータに採用されるなど採用企業が増加している。

 こうした製品採用を支援するために、国内で独自のトレーニングの提供を開始。製品関連のトレーニングに加え、アプリケーション開発のワークショップを開催し、技術者の裾野拡大にも取り組んでいる。

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