Sunが夢見たJava思想を実現する「Azure×OpenShift」の組み合わせ - (page 3)

谷川耕一 羽野三千世 (編集部)

2016-04-11 08:00

寺田:コンテナを使うと人間のオペミスを防げるのも大きいです。同じ環境を新たに作ろうとしても、どうしても設定途中でミスしてしまうことがあります。詳細な手順書を作っていてもその更新忘れなんてこともあります。それがDockerならコマンドを1つか2つ叩くだけで、すぐに同じ環境が作れますから。

大溝:Dockerファイルさえ作っておけば、標準化をシステムで実現できることになりますね。それができれば、環境の構築などは自動化され確実にエンジニアの作業レベルの底上げにつながります。

新井:実は自動化には、マイクロソフトは積極的に取り組んでいます。RHELを自動的にインストールするものはすでにGitHubで公開していますし、他にも自動化のためのさまざまなものを提供しています。Dockerの活用についても、これからいろいろなことをやっていきたいなと思っています。

大溝:そうそう、GitHubでマイクロソフトがたくさんのものを公開しているのにも驚きました。ちゃんと「github.com/Microsoft」というURLもありますよね。

寺田:Azureで使えるテンプレートもGitHubでたくさん公開しています。そういうところも、時代が変わったと感じるところです。


大溝:マイクロソフトが変わったのもありますが、開発者のオープンソースへの関わり方も変わってきたのではないでしょうか。昔は、オープンソースというものは、限られた人が使うイメージもありました。それが今は、本当に幅広い開発者の方々が使うようになっています。それに対応しているのがマイクロソフトなのでしょうね。

2000以上のOSSプロジェクトに参加してOSSコミュニティとの接点を作っている

新井:オープンソースソフトウェアのコミュニティとの接点を、マイクロソフトとしては、Docker コンテナのOSSプロジェクトに参加して開発に貢献したり、GithubやChefをはじめとしたOSSとのAPIやプラグインを開発することで作っています。この活動を通じて、オープンソースの世界で使われているものや、その利用ノウハウを、クラウドでどんどん活用できるようにしています。

寺田:つまりそこにRed Hatさんも入ってきわけですね。この動きには、本当にユーザーからも大きな期待があります。なので大溝さんには、5月に開催される「de:code 2016」で、是非とも面白い話を開発者向けにしてもらいたいです。

新井:大溝さんのセッションでは、OpenShiftとAzureを組み合わせた、便利な使い方のデモを実施する予定です。

大溝:AzureとOpenShiftの組み合わせは本当に良いものです。AzureでActive Directoryを普段使っているのに、OpenShiftにしたらRed Hatのものを別に入れ、両方を管理しなきゃいけないとなるとやっぱり使いにくい。マイクロソフトの製品もRed Hatの製品も何でもAzure上で使えるといいですよね。de:codeでは、OpenShiftからAzure 上のサービスを簡単に使えるといったことを紹介できればと思います。

寺田:de:codeの私のセッションでは、エンタープライズ環境でJavaを使っているユーザーがAzureでハッピーになるような情報をお届けするつもりです。具体的には、「Twitter4J」を開発した山本裕介さんをお呼びして、リアルタイムでのTwitter情報可視化のデモをやるつもりです。それから、エンタープライズ環境でJavaを利用している方にとって便利な機能も紹介する予定です。

新井:今回のde:codeでは世界初の発表内容がたくさんあります。今回de:codeで大溝さんと新井で実施する、レッドハットとマイクロソフトのジョイントセッションは世界初です。更にレッドハットさんがde:codeのスポンサー企業になられたのも世界初ですし、今回OSSトラックを用意したのも日本のde:codeが世界初です。先日レッドハットさんと共同開催したイベント「AzuredCon」(関連記事)も日本からの世界初でした。

寺田:その他に、de:codeのJava関係のサプライズとしては、Jenkinsの作者として有名で、現在米クラウド・ビーズでCTOをつとめる川口耕介さんにもご登壇いただくことが決まりました。川口さんとは、Sun時代からとても親しくさせていただいていましたが、今回、de:code のイベントに関して相談したところ、ご快諾いただきました。Jenkins ファンの皆様も、ぜひマイクロソフトのイベントにご参加ください。今まで私が関わってきたオープンソース系のイベントでも実現できなかったような有名人が、本当に多数来てくれるイベントになっています。

大溝:セッションリストを見ても、レッドハットが普段お付き合いしているような会社の人がたくさん登壇する予定で驚きます。

寺田:ぜひ、Red Hat利用者の皆様もde:codeに来てセッションを楽しんでほしいです。Azure では Linux が使えるのはもはや当たり前です。「Azure で Linux が使えるの?」からAzureでLinux を使って何をするのか、何ができるのか?何がメリットなのか、今年のde:codeではそのようなセッションをご覧いただくことができるでしょう。そして、マイクロソフトフレンドリーな方々はもちろんのこと、普段、業務で Linux やJavaを利用している方々にも満足して帰っていただける、そんなイベントにしたいと思っています。

大溝:このイベントに来て、マイクロソフトとRed Hatの両方のファンになってほしいです。

寺田:そうですね。ぜひより多くの方にお越し頂き、オープンになったマイクロソフトを生で見て頂き、現場で使えるノウハウをお持ちかえり頂きたいですね。

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