Googleの幹部らは先週、サンフランシスコで開催された「Google Cloud Platform NEXT 2016」(GCP NEXT 2016)カンファレンス2日目の基調講演で、「Google Cloud Platform」のこれまでの成功と、今後の投資戦略について語った。
まずGoogle Cloud Platformの製品管理ディレクターGreg DeMichellie氏が壇上に立ち、「クラウドの進化で最も重要となる鍵」はデータセンターとセキュリティ、コンテナ技術の3つだと述べた。
データセンター
データセンター関連の戦略については、同社のデータセンター担当バイスプレジデントであるJoe Kava氏が説明した。同氏は早い段階から、「あなたのデータセンターはGoogleのデータセンターだ」というコンセプトを前面に押し出していた。これは、クラウド配備によって実現される使いやすさをアピールするための下地作りと言えるだろう。
Kava氏は24時間365日のサービス提供を強調するとともに、Googleのデータセンターは要員配備から管理まで同社の社員によってまかなわれていると説明した。同氏によると、このことは他社との競争において優位な点になっているという。また同氏は、セキュリティやパフォーマンスについても触れ、プロプライエタリな設計に基づくハードウェアを採用しているため、より強力な統制が可能だと説明した。
Kava氏がプレゼンテーションに用いたスライドの1枚に、新たな情報が記されていた。それは、48V電源と新しいフォームファクタを採用した新たなラック仕様だった。この新フォームファクタにより、Open Compute Project(OCP)の仕様に準拠したラックを同社のデータセンター内で採用できるようになる。なお、同社は9日にOCPへの参加を発表している。
さらに同氏はサステナビリティに対するGoogleの取り組みについても語り、米調査会社Gartnerのマジック・クアドラントにサステナビリティという視点が欠けている点について不満を表明した。
セキュリティ
次に、同社の卓越したエンジニアであるNiels Provos氏がセキュリティ関連の説明を行った。同氏は、技術面だけでなく、透明性が確保されている製品に対する信頼性という面にも焦点を当てていた。
Provos氏は、同社によるGoogle Cloud Platformのセキュリティレイヤ全体に対する投資が恩恵をもたらしていると説明するとともに、今後も新たな機能やツールが追加されていくと述べた。
同氏によると、Googleはネットワークレベルでのアウトバウンドファイアウォールの機能向上とともに、アプリケーションレベルの脆弱性走査と新たなソースコード来歴精査に取り組んでいるという。さらに配備レベルのレイヤでは、ハードウェアを使用した、フィッシング不可能な2段階認証を採用する予定であるとともに、運用レベルでは、強固な権限管理や、アプリのユースシグナルを追加しようともしている。
提供:Conner Forrest/TechRepublic