日本医科大学武蔵小杉病院と富士通エフサスは3月30日、退院患者の自宅療養を支援すべく、医師の指示により富士通エフサスのコールセンターにて、定期的に状態確認コールを行う実証研究を開始すると発表した。実施期間は4月1日から9月30日までの予定。
今回の実証研究のイメージ(富士通エフサス提供)
本研究は、
- 患者・家族が安心して自宅療養へ移行できるようにすること
- 退院後の状況を定期的に確認することで患者の異常を早期に発見し速やかに医療機関受診を促すこと
- 患者の退院後の生活状態に関する情報を再来院・再入院時に活用すること
の3点を目的とするもの。
具体的には、入退院を繰り返す患者・独居高齢者・高齢者世帯のうち退院後のフォローを希望する患者を対象に、定期的にコールセンターから日常生活・症状の確認を行い、異常時には再来院を促すとともに、患者とのやりとりの結果をシステム上で病院と共有する。
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また実施にあたっては、患者と顔の見える関係をつくるため、参加患者の退院前説明の際に、富士通エフサスのコールセンター要員も日医大武蔵小杉病院に出向き、事前に直接対面することで、患者との信頼関係構築を図っていく。
対象となるのは、日医大武蔵小杉病院の患者で、以下のいずれかに該当し、本研究への参加を希望する患者など。なお、患者側には参加費用は不要。
- 退院調整・退院支援を行っている独居高齢者・老老介護の患者
- 入退院を繰り返している患者
- 地域連携支援・継続支援が必要と判断される患者・家族
このスキームの有効性が実証されることで、スムーズな自宅療養移行による入院期間の短縮、重症化してからの緊急・再入院の抑止が可能になり、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることを目指す「地域包括ケアシステム」の実現にも寄与するとしている。