「数理最適化」とは迷路の近道を見つけること
数理最適化とは、わかりにくく言うと「ある条件」において「最適」な状態を「数理的に」求めることである。わかりやすく概念的に言い換えると、「迷路の近道を見つけること」(「迷路」自体が「条件」であり、「最も経路の短い近道」が「最適」な状態)である。囲碁や将棋などのゲームで、「勝利への道」を見つけることも、これに該当する(囲碁や将棋などのゲームのルールが「条件」であり、「勝利への道」が「最適な状態」に該当する)。
この「数理最適化」を概念的に説明するために、以下に記載の図1(a)を見ていただきたい。

図1(a)
ここには、ある地点AとBが記載されている。この地点AからBまでの「最短の経路(近道)」はというと、AとBを直線で結ぶ図1(b)のようになる。

図1(b)
ここまでは、おそらく難しくないと思われる。難しいのは、経路が複雑になってきたときに、最短の経路をどうやって見つけるかということだ。
図2(a)のように、道が山なりになっているときはどうだろうか。

図2(a)
この場合、地点AからBまでを直線で結ぶよりも、やや山なりに進んだほうが、帰って距離が短くなる(アップダウンを少なくしたほうが「疲労が少ない」ということにもなる)。このような場合、どうやって最短の経路を求めるのが適切だろうか。簡単に言うと、より「滑らか」になる経路を見つけていけばよい。
例えば、図2(b)のようなギザギザの経路よりも、図2(c)のような滑らかな経路のほうが、より経路が短くなる。

図2

図2(c)
このようにしてゆき、図2(b)のように、「なんとなくたどってみた経路」を、少しずつ滑らかに、距離が短くなるようにしていくと、最短経路に近づいていく。