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日本株展望

4月からの国内機関投資家の需給動向--外国人の売買に注目 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-04-01 10:50

4月からの需給要因

 「新年度になると機関投資家から新たなマネーが流入するということを聞いたことがあるが、2016年度はその影響がどのように現れるのか考察をお願いしたい」という質問をいただいた。

 4月から海外の機関投資家がどう動くかは、投資環境次第であり、正直わからないが、国内の機関投資家について言うならば、4月から新規マネーが入るという話は少し古いだろう。

(1)特金を使った金融機関の運用は減少

 かつて3月は決算対策の売りで下がりやすく、4月は新年度入りで機関投資家の買いが入りやすいと言われたことがあった。日本の金融機関が特定金銭信託(通称「特金」)を使って日本株で資金を積極的に運用していた時代には、3月決算前に一度ポジションを落として、4月から再度、ポジションを作るということがあった。その時は、確かに4月に新規マネーが入りやすかったと思われる。

 ただし、今は日本の金融機関が特金を使って積極的に運用する時代ではない。3月の決算対策売りも、4月の新規マネーも、古い言葉になりつつあるだろう。

(2)企業年金が運用を拡大する時代ではなくなっている

 企業年金が運用を拡大していた時代には、4月から追加の運用資金が入りやすく、新年度入りで年金の買いが期待されたことがあった。ところが、今、企業年金は運用を縮小する時代に入っている。企業が年金運用で財務リスクを負うことを避けるため、リスク資産(株式など)での運用を縮小し始めている。

 また、設立年数の古い年金基金では、だんだん新規積み立てより拠出が多くなる時代となった。4月から企業年金の買いが入ることも期待できない。

(3)公的年金の買いは目先一巡する可能性もある

 年金で積極的に株などリスク資産への投資を増やしてきたのは、公的年金だ。約130兆円の運用資産を持つGPIFが日本株の組み入れ比率を大幅に引き上げたことが知られている。ただし、株式組み入れ比率の引き上げは一巡しつつある。

 以下に示す通り、12月末時点で、GPIFの日本株の組入比率は23.35%まで上昇しており、基本ポートフォリオの組み入れ比率25%に近づいている。

 1月からの日本株の下落で時価ベースの組み入れ比率は一時減少したと考えられるが、その分も含め、1~3月に公的年金は日本株を買い増ししたと推定される。4月からさらに日本株を買い増す余力は、さほど大きくないと推定される。

GPIFの基本ポートフォリオと2015年12月末時点の資産構成比

GPIFの基本ポートフォリオと2015年12月末時点の資産構成比
(出所:GPIF)

 2015年は、公的年金と日銀の買いが日本株を支えた。ここから公的年金の買いは徐々に減少してくるだろう。日本銀行の日本株ETF買いは続きそうだが、日本銀行は相場を押し上げるような買い方はしない。

(4)事業法人の自社株買い

 事業法人の自社株買いは毎年、日本株の安定的な買い主体となっている。ただ、3月決算企業について言えば、決算発表前の4月は自社株買いがやりにくい時期になる。決算発表・株主総会を終えれば、新たに自社株買いの枠を設定して、買いを実行する企業も増えるだろうが、4月はそうした買いもあまり期待できない。

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