パブリッククラウドにVMを移動--デル、Azureアプライアンスを国内でも提供

日川佳三 2016年04月05日 18時24分

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 デルは4月5日、オンプレミスに設置するプライベートクラウド用のシステムでありながらパブリッククラウドの「Microsoft Azure」と同等の使い勝手で仮想サーバを調達、活用できる垂直統合システム「Dell Hybrid Cloud System for Microsoft」を国内で提供開始すると発表した。税別価格は仮想サーバ100台規模の最小構成モデルで3200万円。

 Microsoftが策定したクラウド構築用サーバ規格「Cloud Platform System Standard(CPS Standard)」に準拠した製品。最大の特徴は、「Windows Azure Pack」と呼ぶ、Azureと同等の使い勝手で仮想サーバを調達できるソフトウェアを組み込んでいること。Azureと同様のサイズの仮想マシン(VM)のテンプレートも用意した。Azureとの連携も可能で、オンプレミスに設置したCPS StandardとAzureとの間でVMを移動できる。

 Azure Packを利用すれば、自前でシステムを組んでもAzure同等のプライベートクラウドを構築することは可能。これに対して今回デルが提供する製品の価値は、動作を検証済みのシステム構成で、なおかつ構築済みのアプライアンスの状態で提供すること(図1)。デルでエンタープライズ・ソリューション事業本部エンタープライズソリューション&アライアンス部長を務める馬場健太郎氏は、「電源を入れると立ち上がり、すぐにAzureと同じ操作性で使える」とアピールする。

図1:Dell Hybrid Cloud System for Microsoftのシステム構成。Windows Server(Hyper-V)を使った統合システムにWindows Azure Packを組み合わせた
図1:Dell Hybrid Cloud System for Microsoftのシステム構成。Windows Server(Hyper-V)を使った統合システムにWindows Azure Packを組み合わせた

 SIベンダーの日本ビジネスシステムで代表取締役社長を務める牧田幸弘氏は、「Azure Packを導入したAzure互換のプライベートクラウドは、これまでであれば数人のエンジニアが3カ月かかって構築していたもの。これをアプライアンス化したことは画期的」と期待を寄せる。デルでは「設置から3時間でクラウド環境が整う」としている。

1ラックで400VMを収容、OS標準機能の外付けストレージでシンプルに

 システム構成は、Dell製のサーバ、ストレージ、ネットワークスイッチをラックに搭載し、OSとしてWindows Server 2012 R2(サーバ仮想化ソフトはHyper-V)、クラウド運用ソフトとしてAzure Packを導入、設定済みとした。収容できるVMは、最小で100台規模から最大で400台規模。必要に応じてサーバ台数やストレージ容量を増やせる。

 サーバは「Dell PowerEdge C6320」を採用。同機種は、高さ2Uに4台の独立したサーバノードを搭載する。アプライアンスは、システム構成に応じて「Sモデル」(サーバ1台、4ノード、VM100台規模)、「Mモデル」(サーバ2台、8ノード、VM200台規模)、「Lモデル」(サーバ4台、16ノード、VM400台規模)、の3タイプを用意した。

 ストレージは外付け。Windowsが標準で搭載する仮想ストレージ機能「Microsoft Storage Spaces」と、SAS接続型DASストレージを組み合わせた。フロントエンドに仮想ストレージとして「Dell PowerEdge R730」を2台(冗長化)置く。この背後にDASストレージ「Dell PowerVault MD 1400/1420」を置いた。

 仮想ストレージが利用するStorage Spaces機能は、DASが搭載するSSDとHDDを自由に束ねてボリュームを構成し、SSDとHDDを階層型で利用できる。「インテリジェントなストレージを使うのではなく、ストレージの機能をWindows標準機能だけで構成することで、ハードウェアをシンプルにできる。OSだけを管理すればよくなる」(馬場氏)

 Hybrid Cloud System for Microsoftでは、販売方法も選べるようにした。通常の販売に加えて、将来の拡張プランに基付いて支払金額を決定する「Pay As You Grow」と呼ぶやり方で購入できる。仮想サーバの台数が増えることを見越して、1年めにいくら、2年めにいくら、3年めにいくら支払うといった契約を事前に交わす。これにより、トータルでの支払い額を削減できる。

(左から)デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ事業本部長 町田栄作氏、日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部長 佐藤久氏、デル 執行役員 副社長 パートナー事業本部長 松本光吉氏、日本ビジネスシステム 代表取締役社長 牧田幸弘氏
(左から)デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ事業本部長 町田栄作氏、日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部長 佐藤久氏、日本ビジネスシステム 代表取締役社長 牧田幸弘氏、デル 執行役員 副社長 パートナー事業本部長 松本光吉氏

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