NVIDIAは米国時間4月5日、データセンターの高速化用に設計された「Tesla P100」GPUと人工知能用スーパーコンピュータ「DGX-1」、さらに自動運転車から仮想現実シミュレーションまで多岐にわたるさまざまな取り組みを発表した。
NVIDIAは「GPU Technology Conference」で、Tesla P100 GPU搭載サーバが2017年第1四半期に登場予定であることを明かした。「Tesla」プラットフォームは高性能コンピューティング(HPC)用に使われており、企業のアナリティクスワークロード向けに採用されることが増えている。
Tesla P100はニューラルネットワークの訓練のパフォーマンスを高めるほか、相互接続技術の強化により拡張性も向上している。さらに、ビッグデータワークロード向けの改善が施されており、新しい人工知能アルゴリズムも備える。また、ソフトウェア開発キット(SDK)もアップデートした。
DGX-1については、人工知能用に構築された初のディープラーニングスーパーコンピュータだとNVIDIAは述べている。DGX-1はターンキーソリューションで、250台のx86サーバに相当するコンピューティング性能を備える。
NVIDIAによると、DGX-1を使用することで、研究者やデータサイエンティストはGPUをより効果的に活用できるようになるという。DGX-1には、NVIDIAのGPU訓練システムとディープラーニングソフトウェアのほか、ニューラルネットワークを設計するためのライブラリも含まれる。主なスペックは以下の通りだ。
- 半精度での浮動小数点演算性能(FP16)は最大170TFLOPS
- 8個のTesla P100 GPUアクセラレータ、1個のGPUにつき16Gバイトのメモリ
- NVLink Hybrid Cube Mesh
- 7テラバイトのSSD DLキャッシュ
- Dual 10GbE、Quad InfiniBand 100Gbネットワーキング
- 3U、3200ワット
DGX-1は米国で2016年6月、その他の地域では第3四半期にNVIDIAやシステムインテグレータから提供が開始されるとNVIDIAは述べている。
これとは別に、NVIDIAはマサチューセッツ総合病院と提携して、人工知能とその病気治療の向上に取り組むことも明かした。
さらに、NVIDIAは自動運転車の頭脳になる「Drive PX 2」プラットフォームについて説明した。Drive PX 2はデータセンターのTesla GPUと連携して、より高度なマッピングとディープラーニングを実現できるよう設計されている。同社は仮想現実や職場での用途向けのツール群も追加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。