産総研とNEC、人工知能連携研究室を設立

NO BUDGET

2016-04-06 16:59

 NECと国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)は4月5日、産総研人工知能研究センター内に「産総研‐NEC 人工知能連携研究室」を6月1日より設立することに合意したと発表した。

 研究室は、相互連携による相乗効果で人工知能(AI)に関わる研究開発を加速するためのもの。産総研としては初めて、企業の名称を冠した連携研究室となる。両者は本研究室により、シミュレーションとAIが融合した技術を基本原理から産業応用まで一貫して開発することで「未知の状況での意思決定」という新分野を確立し、AI研究のさらなる加速と産業への貢献に向けて共同で取り組んでいくとしている。


(NEC提供)

 AIの活用が急速に拡大する一方、災害や異常事態などのまれな事象への対応や、新製品や新サービスの設計などといった、ビッグデータ分析に必要な過去データを十分に集めることが難しい状況では、AIの能力が十分に発揮できないという課題がある。

 このような未知の状況での意思決定に際し、足りない情報をシミュレーションで補いつつ、AIの能力を最大限に引き出す「シミュレーションとAIの融合技術」を、官民一体で開発するのが本研究室の目的。

 具体的には、下記の3つの技術の研究開発を実施する。

シミュレーションと機械学習技術の融合

 社会インフラの制御や大規模災害、まれに起こる異常事態などは、過去データを集めることが難しく、大量のデータに基づく従来型のAI処理の適用が困難な領域となっている。これに対し本研究室では、コンピューター上に構築したシミュレーター内で、観測したい現象のみを集中的に観測する手法などの確立により、効率的に機械学習を行う研究開発を進めていく。

シミュレーションと自動推論技術の融合

 人間の知的労働が高度化・複雑化するにつれ、AI技術によって人間の判断や意思決定を支援することが期待される一方、未知の状況に対処するためには必要な知識データベースが大規模化するという課題があった。

 そこで本研究室では、実世界のシステムを模してシミュレーター上に構築された仮想世界と自動推論技術とを融合することで、現実的な規模での知識データベースから妥当な推論を行う技術を開発していくことにより、未知の事象に対しても人間の意思決定支援を可能にする。

自律型人工知能間の挙動を調整

 社会インフラや交通手段、流通システムなどがAIにより自律的に制御されるようになると、ある自律制御システムと別の自律制御システムの挙動が競合し、全体として正しく機能しなくなる場面が出てくる。これに対し本研究室では、自律制御システム同士で、譲る、分担する、融通するなどの挙動調整を行う技術の研究開発を進める。

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