先々週の「Build」開発者カンファレンスで、MicrosoftはWin32アプリや.NETアプリを統合された「Windows Store」で提供できるようにするツール「Centennial」に言及した。先週、Microsoftは同ツールの開発者への提供を開始した。
米国時間4月7日、Microsoftはデスクトップアプリを「Universal Windows Platform」(UWP)に移行させる「Desktop App Converter」(Project Centennial)をダウンロード公開した。このツールは、MSIやexeといったデスクトップ版「Windows」のインストーラをappxパッケージに変換して、「Windows 10」PCにデプロイできるようにする(注:現時点で、CentennialはPC向けアプリのみが対象となっており、「Windows Phone」や「Xbox One」、「Surface Hub」向けのアプリを変換することはできない)。
MicrosoftはBuildの会場で、参加した開発者によって作成された既存のレガシーアプリを変換し、新しいツール群が機能することを実証した。Buildに参加した複数の開発者の話によると、Centennialは効果的に機能したという(注:Centennialは予定されている「Windows 10 Anniversary Update」での使用を想定しているが、「Windows Insider」向けテストビルド14316以降の「Windows 10 Enterprise」でも使用可能だ)。
Microsoft関係者によると、現在、1600万の「クラシック」なWin32アプと.NETアプリ、および「Windows Presentation Foundation」(WPF)アプリが存在するという。Microsoftはこれまで、開発者がこれらのアプリをWindows Storeで販売したり、ダウンロード公開したりすることを認めていなかった。しかし、2015年、同社はCentennialという開発コード名のブリッジを提供して、開発者がそれらのアプリをWindows Storeに掲載できるようにすると述べた。
Centennialの技術文書には、以下の文言が含まれている。「アプリのすべての機能をそのアプリのfull-trustパーティションからアプリコンテナパーティションに移動したら、そのアプリはあらゆるWindows 10端末で動作するようになる」
The RegisterでTim Anderson記者が指摘するように、レガシーアプリをStoreで動作させるためにMicrosoftがやらなければならないことについては、潜在的な懸念がいくつかある。Anderson氏がBuildでのMicrosoftの話として伝えたところによると、変換したアプリはサンドボックス化されない。それをするとレガシーアプリが動作しなくなるからだという。Microsoftは開発者に大きな信頼を置いているとのことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。