Googleが「Android」アプリ統合開発環境(IDE)の最新版「Android Studio 2.0」を公開した。開発効率の改善に主眼を置いており、「Instant Run」などの新機能が加わっている。
Android StudioはAndroidデバイスで動くアプリを構築できる統合開発環境。スマートフォンやタブレットのほか、ウェアラブルの「Android Wear」、車載「Android Auto」、TVの「Android TV」もサポートする。OSはWindows、Mac OS X、Linuxに対応する。
Android Studio 2.0の新機能Instant Runは、コード作成、ビルド、テストのサイクルを高速化するもので、 Instant Runボタンを押すと変更箇所を分析して、最も高速に実装できる方法を決定してくれるという。可能な場合は動いているアプリプロセスの中にコードの変更を挿入し、APKの再デプロイと再インストールが不要という。
エミュレータ「Android Emulator」も新しくなり、前バージョン比でCPU、RAM、I/Oの速度は3倍高速になった。「Android Debug Bridge」(ADB)のプッシュ速度は10倍高速化し、実際のデバイスを利用するよりもAndroid Emulatorを利用する方が高速という。速度以外にも、ユーザーインターフェイスとセンサ制御を強化し、APKのドラッグ&ドロップでのインストール、ウィンドウの調整、ピンチとズームなどのマルチタッチアクションによる操作が可能になった。
さまざまなデバイスおよびデバイス設定で大規模にアプリをテストできる新サービス「Cloud Test Lab」も導入した。Android Emulatorなどで初期テストを行った後、さまざまなデバイスに対してテストを行うのに適しているという。Googleのデータセンターでホスティングしている物理デバイスでテストを実行できる。テストを作成していない場合でも、Cloud Test Labでベーシックなテストを実行して、アプリがクラッシュしないかどうかを確認することができるという。
このほか、OpenGL ESを利用するゲーム向けのGPUデバッガもプレビューとして加わっている。