調査会社IDCは米国時間4月8日、「Worldwide Quarterly Cloud IT Infrastructure Tracker」を発表した。その調査結果によると、DellのEMC買収が完了した暁には、クラウドインフラ分野における売上高トップの座をHewlett Packard Enterprise(HPE)から奪い取ることになりそうだ。
ベンダー別の売上高を見た場合、2015年のクラウドインフラ分野におけるDellとEMCの売上高合計は53億ドルとなり、HPEの45億ドルを上回っている。
DellとEMCの売上高合計は、2015年における同分野全体の売上高である289億ドルの18.2%を占めている。なお、2015年の同分野全体の売上高は、2014年の237億ドルと比べると21%増加している。
DellとEMCの2015年の売上高を個別に見ると、Dellは30億ドル、EMCは22億ドルだ。
今回のIDCの調査には、サーバやストレージ、Ethernetスイッチの売上高が含まれている。
DellとEMCの売上高は合計すると、パブリックおよびプライベートなクラウドインフラ分野で最大となっている。その一方で、2015年の売上高を前年と比べた場合、HPEはこれら競合のいずれよりも大きな伸びを示している。
2015年の売上高を前年の数値と比べた場合、HPEは27.3%、Dellは25.5%、EMCは14.4%の増加となっている。
実際のところ、HPEのこの増加率は上位5社のいずれをも上回っている。Cisco Systemsの売上高は26.4%増の28億ドルだった一方、IBMは24.6%減の12億ドルだった。また、NetAppの2015年における売上高は前年比5%減の10億ドル強だった。
「ODMダイレクト」(企業ごとにカスタマイズしたサーバを開発、製造するメーカー(ODM)が直接ユーザー企業に出荷する)というカテゴリでは、売上高が2015年に前年比で12.2%しか成長していないものの、クラウドインフラ市場の売上高では25.6%のシェアを占めている。
IDCによると、ITインフラ分野全体の支出に占めるクラウドインフラ分野の割合は、2014年第4四半期の28.6%から、2015年第4四半期には32.2%へと伸びたという。クラウドインフラ分野全体で見ると、2015年第4四半期の売上高は前年比15.7%増の82億ドルだった。
2015年第4四半期におけるパブリッククラウドへの支出は49億ドルであり、プライベートクラウドの33億ドルを大きく上回っている。とは言うものの、プライベートクラウド分野の売上高は、パブリッククラウド分野の14.6%を上回る17.5%という速いペースで増加している。
最も成長が著しいセグメントはパブリッククラウド向けのEthernetスイッチ販売であり、前年同期比56.9%増となっている。また、Ethernetスイッチ販売はプライベートクラウド分野の売り上げもけん引しており、前年同期比19.6%増となっている。
例外はストレージ分野であり、2015年第4四半期には前年同期比4%減となった。しかしIDCによると、同分野における前年同期の売上高は極めて大きなものだったという。
提供:IDC
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。