シスコシステムズは4月11日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの新製品「Cisco HyperFlexシステム」を発表、同日出荷した。他社製品と比べた利点の1つは「ハイパーコンバージド向けにゼロから開発したストレージソフトを使っていること」(シスコシステムズ)
ハイパーコンバージドとは、分散ストレージソフトとサーバ内蔵のローカルストレージドライブを組み合わせたサーバ基盤を指す。内蔵ストレージをリソースプール化して全サーバで共有し、外部の共有ストレージのように利用する。小規模でスモールスタートしつつ、必要に応じてサーバを増設することでサーバとストレージをともに拡張できる。

HyperFlexの外観
HyperFlexは、x86サーバ「Cisco Unified Computing System(UCS)」を使う。サーバ仮想化ソフトは「VMware vSphere」で、今後「Hyper-V」「KVM」、ベアメタル構成などを予定。ハイパーコンバージドの中核を成す分散ストレージソフトは「Cisco HXデータプラットフォーム」で、これは米SpringpathからOEM供給を受けたもの。
「従来型ストレージの多くはハイパーコンバージドに移行する」。同社は、ハイパーコンバージド製品を投入する理由をこう説明する。製品のすみ分けとしては、外部ストレージをサーバに組み合わせた「Vblock」のようなコンバージド(垂直統合)システムを大規模システムに適用しつつ、ハイパーコンバージドシステムのHyperFlexをスモールスタートに適用する意向だ。

Cisco Systems コンピューティングシステムズプロダクトグループプロダクトマネージャー Chakri Avala氏
分散ストレージは3ノード同時にミラーリング、ストライピング書き込み
HyperFlexの最大の特徴は、中核を成す分散ストレージソフトにある(図1)。米Cisco Systemsでプロダクトマネージャーを務めるChakri Avala(チャクリ・アヴァラ)氏は、「最初からハイパーコンバージド向けに開発したソフトであり、全ノードに対してデータを同時にミラーリングして書き込む」と優位性を説明する。いったんローカルノードに書き込んでから他ノードにコピーするわけではないので、一定の性能が出せるとしている。
全ノードのうち3ノードに対して、同一データを同時に書き込む仕組みを採用した。最小構成の3ノード時は、3ノードにまたがった全ての仮想サーバのデータを、それぞれのノードが全て保存することになる。
この場合、可用性はあるものの、利用できるストレージ容量は単純に3分の1。ノードを増設して4ノード以上にした場合、内蔵ストレージをリソースプールのように使える形だ。

図1:分散ストレージソフト「HXデータプラットフォーム」は、3つのノードに対して順番に同一データを書き込む。最小構成の3ノード構成時は、全ノードのストレージデータは同一のものになる
エンタープライズ向けのストレージ機能を一通り備える点も優位点という。インライン重複排除とインライン圧縮によって、書き込めるデータ量を増やしている。クローンやスナップショットといった機能も備える。
分散ストレージソフトは、ベアメタルで動作して仮想ストレージを実現するソフト本体と「VMware ESXi」に組み込んで仮想サーバから仮想ストレージにアクセスできるようにするドライバソフト「IOVisor」で構成。それぞれのノードはソフト本体とドライバソフトの両方を含んでいる。
ドライバソフトだけを組み込んだVMwareサーバを増設することもできる。この場合、増設したサーバの内蔵ストレージをストレージプールに追加することなく、サーバ処理能力だけを増やせる。ドライバソフトがあれば、VMwareサーバからストレージプールにアクセスできる。
拡張性で3モデルを用意
HyperFlexは、システム構成要素に応じて3種類のモデルを用意した。
(1)エントリ構成「HX200c」は、1Uサーバ(6ドライブ)×3~8ノード。(2)搭載ストレージ容量が大きい汎用容量構成「HX240c」は、2Uサーバ(24ドライブ)×3~8ノード。(3)ハイブリッド構成は、汎用容量構成の2RU(24ドライブ)×3~8ノードに、CPU増設用のサーバ×1~4ノードを追加できる。
参考構成価格は、エントリ構成のHX200cがネットワークスイッチ2台(冗長構成)を含んで677万円から(vSphereとvCenterのライセンスが別途必要)。