医療分野では、AIがさまざまな形で使われている。AIは、テキストの記録をスキャンして、問題を発見するのに使用されている。また、人口動態データを使ってAIによって疾病の可能性を判断する、予測的アプローチも利用されている。さらに、ソーシャルメディアへの投稿を分析して、健康リスクを判断するのにもAIが使われている。
Behold.aiの取り組みは、この分野としては規模が小さい。Njenga氏によれば、規模が大きいのは「IBM Watson」だ。
しかし、規模の大小にかかわらず、取り組みは障害にぶつかっている。病院がBehold.aiのようなシステムを利用するには、米国の場合、まず米食品医薬品局の安全規制をクリアする必要があるが、IBMも含めてこれに成功した取り組みはまだない。コンピュータ支援診断ツールが使われ始めてから数十年になるが、テクノロジは変わってきている。
しかし、Njenga氏とRaut氏はソフトウェアは診断の進め方を変える能力を持つようになると考えている。
両氏が話した画像診断医の多くは、強いプレッシャーを受けており、画像を読影する速さに基づいて報酬が決まっていることも多い。画像診断医は助けになるツールを求めている。また、ツールによって病院もコストを削減することができる。現在、多くの診断手順では、2人の画像診断医が1枚の画像に対して一致した意見を出すことが求められることが多い。これには数時間、あるいは数日かかることもあるが、Behold.aiのシステムでは数秒しかかからない。
「公平を期すために言えば、この速さで画像の診断ができる画像診断医も多くいる」とNjenga氏は述べている。
「大都市では、そういう画像診断医もいる。しかし、そういう能力を持つ画像診断医がいない地域もあるのだ」(Njenga氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。