デジタル化がクラウド化を加速
デジタルトランスフォーメーションの進展により、ユーザー企業の情報システム部門のあり方も変革が求められるようになっている。SoRに対応したICT基盤を利用しつつ、SoEへの対応を強化する動きが進んでおり、双方の要件に対応するクラウド基盤の整備が、直近で対応すべき重要なミッションとなっていくだろう。
IDCは2月22日、「CloudView 2016」を公表した。
この調査では、今後2年間でのクラウド利用の進展を事業者とユーザー企業側の両側面から整理をしている。
出所:CloudView 2016 IDC 2016.2
IDCの調査によると、現在のIT利用の状況は、ユーザー企業の事業者サービスの利用は43.4%となっており、トラディショナルアウトソーシング(伝統的なアウトソース分野)は21%、パブリッククラウドは10%、オンデマンドのHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)は5%、専用HPCが6%となっている。2年後にはトラディショナルアウトソーシングが21%から16%まで減少し、パブリッククラウドが10%から14%へ増加、オンデマンドHPCが5%から9%へ増加、専用HPCが6%から10%へ増加すると予測している。ユーザー企業の事業者サービスの利用は現在の43.4%から48.4%と5%の増加を予測している。
一方、現在のユーザー企業のオンプレミス環境は56.6%で、トラディショナルインフラによる構築が49%、オンプレミスプライベートは8%という結果がでている。2年後にはトラディショナルインフラは49%から41%まで減少し、オンプレミスプライベートは8%から11%まで増加すると予測している。2年後には、ユーザー企業のオンプレミス環境は56.6%から51.6%まで減少すると予測している。
現在のユーザー企業のIT環境はクラウドを利用していないシステムは70.2%に対して、クラウドの利用はパブリックとプライベートを含めて29.8%となっている。2年後にはクラウドを利用していないシステムは70.2%から57.0%まで減少し、クラウドの利用は29.8%から43.0%まで増加すると予測している。
これらの予測をみてみると、ユーザー企業のオンプレミスシステムの従来のアプリケーションやワークロードのクラウドへの移行とともに、デジタルトランスフォーメーションの進展がクラウドの採用の動きを加速させていると考えられるだろう。