できることは同じ。ただし違う方法で
「Hue」と「Cloudera Manager」の組み合わせは、Hortonworksが支援するApache Ambariとほぼ同じ機能を持っている。「Cloudera Director」とCloudBreakの間にも共通点が多い。Clouderaが支援する「Apache Sentry」は、Hortonworksが支援するApache Rangerと真っ向からぶつかっている。「Cloudera Navigator」は、Hortonworksが力を入れているApache Atlasと同様の位置づけにある。
状況が見えてきただろうか?この状況はSQL-on-Hadoopにまで及んでおり、Hortonworksは「Apache Hive」を「Apache Tez」上で動かし、「Spark SQL」をサポートしようと取り組んでいるのに加え、HAWQをベースとしたHDBのサブスクリプションまで販売する予定だ。その一方でClouderaは「Apache Impala」(インキュベート中)のテクノロジを持っており、最近はSpark上で動作するHiveをサポートする、「Cloudera Enterprise」のバージョン5.7を発表した。
まだまだある。Clouderaは2週間前に、カリフォルニア州サンノゼで開催されたCloudera主催の「Strata + Hadoop World」イベントで、やはりサイバーセキュリティと脅威検知技術を主眼とした新しいオープンソースプロジェクト「Open Network Insight(ONI)」を発表している。Hortonworksが今回発表したApache Metronも、ほぼ同じ領域を狙ったものに見える。
2社による複占
一般向けのHadoop市場は、米国の政治システムに似てきている。主要な陣営が2つあって二極化がますます進んでおり、いくつかの小規模な陣営がそれを取り巻いている。どちらの企業が共和党にあたり、どちらが民主党かは分からないが、米国大統領選挙があまり機能していない状況を考えれば、どちらもあまり褒められたものではない。
あまり時事的な政治問題を比喩に使うべきではないかもしれない。ひょっとすると、ロミオとジュリエットのモンタギュー家とキャプレット家を例えに使った方が適切だろうか。あるいは、筆者が長年ニューヨークに住んでいることを考えれば、ウェストサイド物語のジェッツとシャークスに例えるべきだろう(ClouderaのTom Reilly氏やMike Olson氏、HortonworksのRob Bearden氏が歌い踊りながら対決できるだろうかと想像してみたが、……少し横道に逸れすぎた)。
Hadoop市場の混乱
どうしてこうなったのだろうか?Hadoop(およびSpark)はオープンソースや汎用ハードウェアの利用をルーツにしており、コードや顧客は特定のディストリビューションに縛られないのが本来の姿だったはずだ。スタックのどのレイヤでも、ロックインはあるべきではない。
筆者はスタックの上に実現されるイノベーションには全面的に賛成だ。しかし最近は、同じことを実現するための製品が(オープンソースプロジェクトでさえ)ますます競合するようになりつつある。その結果は、Hadoop市場の分岐だ。これは本来あるべき姿ではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。