オールフラッシュ「FlashArray」に最安価モデル--デスクトップ仮想化に有効

日川佳三

2016-04-15 10:45

 ピュア・ストレージ・ジャパンは4月14日、オールフラッシュストレージ「FlashArray//m」のうち最もエントリに位置する新モデル「FlashArray//m10」を発表、同日販売を開始した。

 価格は約500万円からで、中堅中小企業に向く。既存の上位モデル「FlashArray//m20」「同//m50」「同//m70」と比べてコントローラの処理能力やストレージの拡張性を低く抑えた。

FlashArray//m10の外観
FlashArray//m10の外観

 m10のストレージ容量は、物理容量が5T~10Tバイトで、重複排除と圧縮後の実効容量として12.5T~25Tバイトをうたう。これまでのエントリモデルでm10の上位に当たるm20は、物理容量が最大40Tバイトで実効容量は最大120Tバイトだ。

 「ローエンド向けのオールフラッシュが望まれていた」とピュア・ストレージ・ジャパン代表取締役の山田秀樹氏は説明する。「重複排除機能があれば、物理容量は10Tバイトで充分というユーザーは多い」(山田氏)

重複排除に特徴--デスクトップ仮想化との相性がいい

 FlashArray//mは、ソリッドステートドライブ(SSD)だけで構成したSAN接続型のブロックストレージアレイ。特徴は、SSDに特化したソフトを搭載することでSSDとハードディスクドライブ(HDD)の両方に対応したストレージよりも高い性能が出せること。

 SSDの特性を生かす機能として、インライン重複排除とデータ圧縮機能の両方を備える。重複排除は仮想マシンイメージの格納領域を大きく削減できるので、デスクトップ仮想化(VDI)の用途などで特に有効。重複排除の単位も512バイトと細かい。一方、データ圧縮は、データベースのように重複排除が効きにくいアプリケーションに対しても一定の効果が得られる。

 「デスクトップ仮想化はストレージに負荷がかかるので、ユーザーの快適性に課題があった」と、販売代理店の1社であるネットワールドで代表取締役社長を務める森田晶一氏は指摘する。この課題は「オールフラッシュストレージを安価に入手できれば解決する」(森田氏)

 ネットワールドは近々、FlashArray//m10をVDI環境で利用した場合のベンチマーク試験結果を公開する予定。仮想マシンイメージをユーザーごとに独立して用意するフルクローン構成は500人規模の試験を1つのマスターイメージを複数ユーザーで共用するリンククローン構成は1000人規模の試験を実施する。

(左から)PureStorageアジア太平洋日本担当バイスプレジデント Micael Alp氏、ネットワールド 代表取締役社長 森田晶一氏、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役 山田秀樹氏
(左から)PureStorageアジア太平洋日本担当バイスプレジデント Micael Alp氏、ネットワールド 代表取締役社長 森田晶一氏、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役 山田秀樹氏

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