クラウドトップガン対談

富士通のクラウド戦略(後編)--営業担当のデッドスポットカバーが鍵 - (page 2)

吉澤亨史 怒賀新也 (編集部)

2016-04-21 07:30

クラウド急拡大で生じたIT営業担当のデッドスポット

 そうすると面白いのは、Amazonも富士通も、クラウドを打ち出しているにも関わらず、お客さん接点において、どう提案するかということは、あまり教えてくれない。つまり、クラウドの内容とメリットは教えてくれるけれど、デメリットやどう提案したらいいかは、教えてくれない。そこでどうしたらいいか営業さんが迷っている。

 これは、クラウド市場が大きくなってきてしまったので、リソースの提供とマーケットの拡大の間に挟まってしまったIT、SI営業さんたちのいわばデッドスポットができていると言えます。わたしはそれを非常に感じるのですが、阪井さんはどのようにお考えですか。


阪井 そうですね。以前に津田さんとお付き合いしていた富士通の営業などは、数億円レベルの商談を当たり前のように扱う営業部隊だったので、月額で少額のクラウド商談というのは結構難しいというのはありました。ただ実は、日本の中で、Office 365やSalesforceを一番売っているのは富士通なのです。

 クラウド型の商品だからと言っても、ニーズがあって、良い商品であれば、決して難しいことはないと思っています。特にOffice 365で言えば、私たちも社内でグローバルコミュニケーションの手段として使っており、そこから得たノウハウをベースにお客様に提案しています。

 単なるMicrosoft製品ということではなく、当社の価値を組み込んでいるからこそ、そこが差別化要素になります。それはSalesForceでも同様です。そこが提案力の違いになってくるのです。特に当社は、インフラからの移行やセキュリティなど、業種ごとの強力な専門部隊がそろっていることが強みです。ただ、フロントの専門性はさらに強化していく必要があると考えています。それが提案力につながると思っています。

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