――ITのコンシューマー化が言われるが、ユーザーインターフェースではどのような取り組みを行っている?
新造 UIはわれわれが差別化としている分野で、約3年前にニューヨークにデザイン部門「Hook and Loop」を立ち上げています。IT出身ではないデザイナーなど50人がデザインに主眼を置き、業務アプリケーションをいかに直感的に間違いなく効率良く使えるのかを考えながらデザインしています。
スマートフォンやタブレットのUIになれた世代も職場に入っており、このような若い世代にとっても使いやすいUIを提供することで、生産性が上がると考えます。
――産業界では「インダストリー4.0」などIoTを活用した動きがみられる。動かなければ生き残れないという焦りもあるようだが。
新造 製造業におけるIoTでは、製造設備の稼働状況、生産実績、生産にかかる時間など、生産現場で何が起こっているのかをいち早くとらえることが重要になります。
ここでInforは「Factory Track」を提供しています。ショップのフロアから在庫までの追跡システムで、この情報がERPに取り込まれ、リアルタイムで把握できます。他社にはない仕組みとして、高い関心を集めています。IoTはこれを拡大して、機械から(人の手を介さずに)情報をとってくることになります。
また、エンタープライズ資産管理(EAM)もIoTと結びつくことで大きなメリットが得られる分野となります。製造業に限らず、生産設備の稼働状況を見ながら稼働率を最大限に上げ、重要な生産設備が止まらないようにすると同時に、緊急用に必要な在庫を用意して効率的な設備管理を用意するというものです。
McColough ITと、工場などの制御機器を指すOT(Operational Technology)が融合する流れにあり、プランニングや資産運用をIoTで予測してメンテナンスすることが可能になります。
――2016年の目標は?
新造 日本では自動車部品業界、産業機械、重工業、ハイテク、ファッションなどに注力しており、世界で強いビール分野でも日本でプロジェクトが進行しています。今後重要な市場になると見ています。
私自身はソフトウェアがIT業界をリードするという予想をずっと前から持っていました。ですが、日本ではパッケージソフトウェアへの理解が低く、これがジレンマとなっていました。Inforでは、マイクロバーティカルによりカスタマイズの問題を解決できるようになりました。
これは大きな進化だと思います。今後は、いかに使ってもらうか、効果を出してもらうかを追求していきたいと思っています。これは私がパッケージソフトウェアの世界に飛び込んだときの目標であり、Inforで達成できることに意義を感じています。
McColough 北アジア担当として、日本の成長に大きくフォーカスしています。製造業を中心に日本の顧客は成熟しており、Inforが得意とするCPQ、EAM、GT Nexusを活用して大きなメリットを得ることができます。これは中国との違いであり、北アジアでは日本が成長をけん引すると見ています。
日本の顧客はグローバル化を図っており、Inforはこれを支援していきます。競合と比べるとInforは柔軟性が高く、これは大きな差別化となります。