最新の「OpenStack」ユーザー調査で、OpenStackがようやくプライベートクラウド市場で本格的に普及し始めたことが明らかになった。また、Ubuntuは今回もOpenStack市場で首位に立っている。
CanonicalのクラウドマーケティングマネージャーBill Bauman氏は、「Ubuntu OpenStackは、実働しているOpenStackクラウドの55%を占めており、引き続き導入環境の大半を占めている」と述べている。
「以前の調査では、実働しているクラウドにおけるUbuntu OpenStackの比率は33%だった。つまりUbuntuは、これまでも市場の首位を占めていたこの分野で、67%もの成長を見せたことになる。この数字は、Ubuntu OpenStackがコミュニティの支持を受けていることを示す証拠だ」(Bauman氏)
しかしRed Hatも、同社のOpenStackディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)OpenStack」で戦いを挑んでいる。RHELは順位では3位だったが、シェアは8%から16%と2倍になった。2番目に人気が高かったのは、RHELの無料クローンである「CentOS」で、シェアは20%だった。
「Ubuntu」のリードが大きくなっている理由の1つは、Canonicalが提供するアプリケーションのモデリングおよび導入のためのDevOpsツールである「Juju」の人気が高まっていることだ。前回の調査以降、Jujuはクラウド導入、管理ツール市場としてシェアを50%伸ばしている。
Ubuntuが人気なのは、OpenStack市場だけではない。Cloud Marketが発表した、Amazonの「Elastic Compute Cloud」(EC2)で利用されているOSの分析によれば、21万5000強のUbuntuのインスタンスが存在している。
Ubuntuに続くのがAmazon自体が提供している「Amazon Linux Amazon Machine Image(AMI)」で、8万6000インスタンスだ。大差を付けられての3位がWindowsで、インスタンスの数は2万6000だった。4位と5位には、Red Hat Enterprise Linuxの1万6500インスタンスと、CentOSの1万2500インスタンスが位置している。
また、Microsoftも、同社のクラウドサービス「Azure」でUbuntuを利用している。Microsoft Azureの最高技術責任者(CTO)Mark Russinovich氏は、Azureで動作しているインスタンスのうち、Linuxは「わずか」4分の1だと述べているが、Microsoftはビッグデータを扱うHadoop-on-Azureサービスである「HDInsight」を、Ubuntu上に導入することを決定した。
教訓は明らかだろう。クラウドでサーバを利用するのであれば、Ubuntuを学ぶ必要があるということだ。Ubuntuはすでに、クラウド世代のLinuxの決定版になっている。
提供:Canonical
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。