米VMwareは4月22日、パブリッククラウド「vCloud Air」の日本ロケーションでの提供を2017年3月31日で終了すると発表した。サービス利用企業に、期間中における他のクラウドへの移行を勧めている。今後は、「vCloud Air Networkサービスプロバイダー」を通じてのみ、日本でVMware技術ベースのクラウドサービスを提供する。
米VMwareの見解は次の通り。
「クラウド戦略の一環として、VMwareはvCloud Airへのフォーカスを狭めており、2017年3月を過ぎてからは日本で直接クラウドサービスを提供しない。だが、顧客はvCloud Air Network partnersのサービスから移行先を選択できる。VMwareは今後も、顧客の要求に沿って複雑なマルチクラウド、マルチデバイス環境を管理できるよう支援していき、地理的または市場の要件に応じてどのように市場ニーズを満たしていくべきかを評価していく」
サービス停止の理由について「日本市場の特殊性を鑑みて」としており、これについては、日本市場は他市場に比べ、vCloud Air Network partners経由のサービス提供が多いことが挙げられる。直接提供するのではなく、パートナー経由での提供に専念した方が合理的との判断があったようだ。
これに伴い、vCloud Airの新規受注は4月28日で終了するが、利用中のvCloud Airリソースへのアドオンはそれ以降も発注できる。
仮想デスクトップなどのサービスである「Horizon Air」は影響を受けないとしており、今後も日本におけるサービス投資と技術開発を続ける。
新たな移行先として、VMwareはソフトバンクと国内134のvCloud Air Networkパートナーの中から選ぶことを推奨するとしている。
同社は1月、最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏がvCloud Airのサービス内容について、地理的条件や固有の市場特性に応じて見直すとの考えを示していた。