Tech in ASIA賞は、スマートフォンにスクロールやスワイプ、タップ機能を組み込む、VRゴーグル「MilboxTouch」に贈られた。微弱な電流を流すシートはOEM提供を行うため、他の安価なVRゴーグルと競合せず、SDKの無償提供も予定していると、開発・販売を行うWHITE CEO 神谷憲司氏は説明している。
PR TIMES賞はSecualの窓やドアに貼り付けたセンサで衝撃や震動、開閉を検知し、垂直統合モデルと機械学習で進化するホームセキュリティサービス「Secual」に贈られた。同種のサービスと比べて安価に提供できるとファイナリストは説明。「実家の親に使ってあげたい。可能性を感じるサービスだ」とPR TIMESの担当者は授賞の理由を説明した。

WHITE CEO 神谷憲司氏(左)

Secual 代表取締役 青柳和洋氏(左)
The BRIDGE賞は、Hmcommの「The VoiceJP」が受賞。産総研技術転移ベンチャー企業である同社は、会話の文字起こしソリューションとして、Microsoft AzureやAWS(AmazoneWeb Services)などAPIによって特徴的な機能を組み合わせ、音声のテキスト化を実現。今後は深層学習を推進して日本語認識精度の向上に挑戦すると、Hmcomm 代表取締役CEO 三本幸司氏は説明する。
別室で行われた展示会場での投票から選ぶ展示オーディエンス賞は「ロボットハンド/節電義手」を展示したメルティンMMI、オーディエンス賞は審査員の間で意見が分かれたため、前述のSecualと画像解析が苦手な研究者が簡単に画像を処理し、論文作成に集中できる「科学を加速するAI」と題したサービスをプレゼンテーションしたエルピクセルが受賞した。

Hmcomm 代表取締役CEO 三本幸司氏氏(左)

メルティンMMI 取締役執行役員 粕谷昌宏氏(右)

左から日本マイクロソフト 執行役 デベロッパーエバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら氏、Secual 代表取締役 青柳和洋氏、エルピクセルの2名
最優秀賞&日本航空アントレプレナー賞は、近未来SFで描かれる"身体ハッキング"に基づく次世代リハビリテーションサービス「BioSync」をプレゼンテーションした筑波大学 人工知能研究室の西田惇氏が受賞。生体電極モジュールとコントロールモジュールをつないで、相手の運動神経をコントロールすることで感覚を共有し、直感的な筋活動の確認と教示を可能する。日本初の次世代リハビリテーションサービスとして興味深いものだった。

筑波大学 人工知能研究室の西田惇氏(中央)