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クラウドの値打ち

クラウド利用に向けた組織・役割の最適化--既存システムとデジタル化を両立せよ - (page 3)

戸賀慶 関良太

2016-05-25 07:00

 前述のテーマに基づく議論により、何らか新しいデジタルビジネスにつながるシステム化の構想・企画ができあがったとしても、それを実現するための組織・人員が十分でなくローンチまでに多大な時間を要してしまっては競合他社に先駆けられてしまう恐れがある。また、クラウドの大きな特徴である「Quick & Dirty(より早く、簡単に作り出す)」に対して、従来型の1からじっくり作り上げて運営する開発手法や運用手法では同様にスピード感のある対応は不可能である。さらに、自社の事業優位性を保つための膨大なデータは既存システムが有しており、デジタル化による真の創造的破壊に向けて新規システムとの有機的な連携は不可欠である。

 上記理由から、デジタル化に向けたクラウド利用に関して、「ビジネスを最大化するためのアイデア」と、 「アイデアの具現化に向けたピース」は両輪となって検討を進めることが重要であり、後者として以下3つの論点(ピース)に対する自社なりの解を出すことが喫緊の課題となる。

  1. クラウド利用に向けた組織、役割の変革
  2. クラウド時代の開発や運用に係るプロセス、ガイドラインの整備
  3. 既存システムとの連携に向けたアーキテクチャの構築

クラウド利用に向けた組織・役割の変革

 一般的に、IT部門の機能は「企画」「開発」「運用」の3つに大別できる。加えて、デジタルビジネスの検討においては、トップラインに責任を負うマーケティング部門や関連する事業部門(営業部門、R&D部門、製造部門など)も関与しながら全社施策として推進していくケースが多いのが実態である。デジタルビジネスの推進にはこのような多種多様なステークホルダーを巻き込みながら進めていくことが必要であり、これに向けてIT部門をどのようにアラインさせていくか、組織構造と役割分担には大きくは4パターンの選択肢が存在する。


 上図の選択肢から自社にとって目指すべき姿を定めるにあたっては、経営戦略上のデジタルビジネスの位置付けと相関を取りながら決定すべきであり、3〜6カ月周期での段階的なチェンジマネジメント(ビジネスプロセスリエンジニアリングなど組織横断的な変革を推進するマネジメント手法)を推奨する。

 ここ数年でデジタルビジネス化に成功した企業の事例では(2)Center of Excellence を目指すべき姿として定義し、「Digital CoE部門」を新設した例がある。IT企画部門及び開発部門からクラウド技術に精通したスタッフを15人程度ローテーションさせ、約3カ月でクラウドベースの新サービスのローンチを成し遂げた。この事例の主要成功要因(Key Success Factor:KSF)は、単に混合チームを編成しただけではなく、IT部門内に新たに「監査部門」を設けたことにある。

 監査部門が、CoEとIT部門を横断したプロジェクトのPDCAサイクルの運営責任を担うチェンジリーダーの役割を全うすることで、継続的かつ円滑的なデジタル化推進が可能となった。

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