NTTデータで7%--オラクルイベントから見えてくるクラウドの現実 - (page 3)

三浦優子

2016-04-27 18:38

システム提案は「実際に動くプロトタイプ」

 ソフトバンクは、電気バイクのレンタルサービス事業の瀬戸内カレンでオラクルのPaaSを活用している。瀬戸内国際芸術祭の会場のひとつである、離島の豊島をバイクで巡ることができるが、環境への配慮が必要となることから、ホンダの電気バイクを採用している。

 瀬戸内カレンは、ソフトバンクがもともと持っていた充電認証サービス「ユビ電」と、オラクルのPaaSを組み合わせ、レンタルバイクを管理するシステムを作り上げた。オラクルのPaaSを使ったIoTとなる。

ソフトバンク IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長 山口典男氏
ソフトバンク IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長 山口典男氏

 ソフトバンクの山口典男氏(IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室室長)「当社ではこれまでにも、農業分野でのIoT事例として、センサネットワークから観測データ、画像を取り込み、分析して、利用する知識処理システム“e-Akashi”を提供した実績もある」と背景を明らかにした。

 「乗り物の行き先によっては途中でエネルギーにアクセスする必要がある。エネルギーである電気を使いたい人と、使わせてもよい人との間をとりもつ、電気を売るのではないサービスが必要」(山口氏)

 ユビ電は、充電したいバイクが正規のものかどうかを認証するサービス。コンセントに充電すると、車載認証キーからユビ電クラウドに送信し、クラウドから認証されて、正しいバイクだと認められると充電がスタートする仕組みとなっている。

瀬戸内カレンのシステム構成イメージ
瀬戸内カレンのシステム構成イメージ

 山口氏が高く評価するのが「本当に実装が早かった」という点だ。オラクル側からのシステム提案は「通常、紙で提案されるが、今回は実際に動くプロトタイプが提供された。そのため非常に短期間に実装から展開が実現した」と語った。

 システムが構築された後で、いくつかの機能拡張が必要になった。

 「離島という会場の特性上、バイクがどこにあるのか確認する必要が出てきた。宿泊施設も少ないため、本土へ渡る最後の船が出るまでにバイクがある場所を把握し、車両情報や充電状況などを収集、分析する必要が出てきた。位置情報を地図上に展開するビジュアルジオストリーミングも利用している」(山口氏)

 こうした状況から、「オラクルのPaaSがストリーミング処理に標準で対応していることから、連続的な変化を起こす、動的平衡状態を記述しやすい。非常に対応が早く、その素早さに高い満足を感じている」と評価した。

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