日本ヒューレット・パッカード(HPE)は4月27日、x86サーバの新製品「ProLiant Generation 9(Gen9)」の発売を開始した。停電時にもデータを保持できる「不揮発性メモリ」(Non-Volatile Dual In-line Memory Module:NVDIMM)を搭載する。
サーバに採用される不揮発性メモリである「HPE 8GB NVDIMM」は、8GバイトのDRAMに8Gバイトのフラッシュメモリで構成されている。標準規格である「NVDIMM-N」に準拠している。NVDIMM-Nは、半導体技術協会(JEDEC)やストレージの業界団体であるSNIAなどと協力して設計された。
NVDIMM-Nでは、システムがアクセスするのはDRAM。NVDIMMはDRAMメモリのバックアップになる
ProLiant Generation 9にはストレージにバックアップ電源を搭載し、電源が失われた場合、DRAMにあるデータはフラッシュメモリに移行される。
このほかXeon E5-2600 v4プロセッサを搭載、最大25%のパフォーマンス向上させた。またメモリに8Gバイトから利用できるDDR4(2400MHz)を採用。さらに密度を高めた128GバイトのLRDIMMを近日発表予定という。接続規格「NVMe」に対応した最大2Tバイトのソリッドステートドライブ(SSD)、暗号化、認証チップ「Trusted Platform Module(TPM)2.0」をセキュリティ強化のため搭載している。
インメモリテクノロジを低価格で
HPEでは NVDIMMや高速SSDの接続規格「NVMe」など、インメモリテクノロジを推進するためのエコシステムを構築することも明言している。具体的には2016年夏からは「HPEソリューションセンター」でのアプリケーションの検証環境を提供するほか、この分野のシステムエンジニアを拡充し、ホワイトペーパーを整えるとした。
HPEは、NVDIMMを“アプリケーション性能を最速化するテクノロジ”として紹介。NVDIMM利用の場合、SSDの最大20倍のIOPS性能が得られるという。インメモリテクノロジを利用するにはITのアーキテクチャを大埴に変更し、多大な投資が必要が場合があると指摘。今回のNVDIMMでは、小容量でも高速キャッシュとして動作することで2倍のDB性能を得られ、低コストでアプリケーションの性能を改善できると説明している。
なぜ高速性とデータ保護を両立できるか